プロジェクター投影映像にタッチ操作ができるセンシング技術の仕組み
奈良先端科学技術大学院大学の向川康博教授と辻茉佑香大学院生らは、東海大学と米アリゾナ州立大学と共同で、プロジェクター投映映像へのタッチ操作を可能にするセンシング技術を開発した。レーザー走査型プロジェクターとローリングシャッター方式のカメラを組み合わせる。空中の特定平面を指で遮るとタッチ検出できる。投映映像のタッチ対応や空中入力システムに新技術を提案する。
プロジェクターはレーザーを横方向に走査しながら映像を投映する。カメラはイメージセンサーの画素を上から1ラインずつ読み込む方式を取る。つまり1本のラインで投映して読み込むことを高速に繰り返す。この周期を同調して投映と読み出しラインを動かすと、特定平面をスキャンすることができる。
実際にプロジェクター投映面の数センチメートル上の平面をスキャンし、走査ラインが指で遮られて反射した情報を取得できた。プロジェクターとカメラは市販品があるため、小型システムで空中タッチ検出を実現できる。
日刊工業新聞2021年8月9日