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再エネ事業を柱にするリース大手。問われる投資判断の正確性・迅速さ・資金力

リース大手各社は再生可能エネルギー事業の拡充を急ぐ。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、2025年までに太陽光発電に約1000億円の投資を見込む。東京センチュリーは中長期で再生エネの運用資産規模を現在の1500億円から約3500億円に拡大する。首位のオリックスは25年までに他エネルギーを含む運用資産規模を現在比2倍の1兆円にする。脱炭素の不可逆的な流れに、発電事業者のM&A(合併・買収)など積極投資で需要を満たす。(編集委員・六笠友和)

各社は太陽光発電など再生エネのリースやプロジェクトファイナンスなどで得た知見を生かし、自らが発電事業者となり事業を拡大している。低金利環境や国内リース市場の縮小見通しなどの中、脱炭素にも貢献できる新しい収益源として期待を寄せる。

資産規模、発電容量はオリックスが際立つ。すでに資産規模は約5000億円あり、25年までに足元で3ギガワット(ギガは10億)の発電容量を8ギガワットに引き上げる。原子力発電所8基分に相当する容量だ。7月末にはスペインの再生エネ事業者、エラワンエナジーの買収を完了した。増資引き受け分を合わせ約1000億円を投じた。

業界2位の三菱HCキャピタルの運用資産規模は約4000億円。旧三菱UFJリースと旧日立キャピタルの2社が4月に経営統合し、太陽光、風力発電のそれぞれの得意分野を1社に備えた。また子会社を通じ、ベトナムの風力発電事業会社チュンナムウィンドパワーに出資した。

SMFLは完全子会社のSMFLみらいパートナーズ(東京都千代田区)を通じ、太陽光発電事業者への出資やM&Aなどで発電量を早期に倍増させるととともに、風力やバイオマスなど他の再生エネへ本格参入する。再生エネの運用資産規模はリースなど合わせ1・4ギガワット。

東京センチュリーの目標値はリースなど自社発電以外を含む。自社では京セラなどとの連携を強化しつつ発電容量を増やしていく。

脱炭素の流れに関連事業者のM&A費用が上昇しているとの指摘がある。国内では発電所に向く用地の確保が課題になりそうだ。これまで以上に投資判断の正確性、迅速さ、資金力が問われる。

日刊工業新聞2021年8月6日

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