ニューヨーク地下鉄の“標準仕様”に認定。富士電機「鉄道車両用ドア開閉装置」生産能力4倍に

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NY市営地下鉄に納めたドア開閉装置。故障の少なさから“事実上の標準仕様”として受注を伸ばしている

富士電機は2023年度に米国ニューヨーク州の鉄道車両用ドア開閉装置工場で生産能力を現状比4倍の月40車両分に増強する。06年営業運転開始のニューヨーク市営地下鉄車両に納入して以来、故障の少なさから現地で信頼を獲得し、ここ数年で“事実上の標準仕様”に認定された。米国で乗降者数が圧倒的1位のニューヨーク地下鉄において、23年度にドア開閉装置のシェア約5割(現状約3割)を目指す。

富士電機は鉄道用ドア開閉装置を生産するカナダ子会社の富士SEMECが持つ米ニューヨーク州プラッツバーグの工場隣接の建屋を借りて、製造ラインを増設する。ニューヨーク地下鉄向けで新たに受注を獲得したため。21―22年から段階的に生産能力を引き上げて最終的に同4倍に拡大する。

ニューヨーク以外にも、ワシントン首都圏交通局の新型地下鉄車両向けの受注を狙うほか、日本政府がインフラ輸出を目指す米国の高速鉄道計画にも期待している。

16年に買収した富士SEMECは、増産対応だけでなく、今後の北米事業拡大に向けて設計やエンジニアリング、営業機能をそれぞれ強化すべく人員も順次増やす。

富士電機のドア開閉装置はモーターで動かす電気式が特徴で、乗客や荷物が挟まった時の安全性がコンプレッサーを使う競合技術の空気式と比べて優れるという。

また、稼働状態のデータが取得しやすく、ビッグデータ活用による保守効率化に貢献することも鉄道事業者にとって魅力の一つとなっている。国内市場を二分する同業のナブテスコは空気式と電気式の両方を手がける。

JR東日本・山手線E235系の量産車において、富士電機製のシェアは100%だという。

日本国内はもともと空気式が主流だったが、近年は電気式の普及が加速している。海外は逆に電気式が前から主流であった。富士電機は北米での事業拡大の後に、インドや欧州への進出を検討している。


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日刊工業新聞2020年8月2日

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富士電機

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