「AI人材」が中小企業の課題解決。経産省が支援強化で一手
経済産業省はプログラミングやデータサイエンスなどの人工知能(AI)活用に必要な知見を持つ「AI人材」との協業で中小企業の課題解決を促進する事業を強化する。活用イメージが具体化してない企業でも参加できるようにするほか、ネット上で課題を受け付ける窓口も整備する。より多くの中小企業の課題解決につなげ、2021年度は20―30社との協業を目指す。
同事業はAI専門人材を配置できない中小企業と、経産省の育成プログラムを受けたAI人材が協働で現場の課題解決をするというもので、年度ごとに参加企業を募集し展開している。具体的には、課題解決のためにテーマやプロジェクトを設定する企業に対して、3―5人で構成するAI人材チームがモデル構築やシステム設計開発などを行う。
これまでAIを活用した外観検査や需要予測、予知保全などで課題解決してきたが、実際には活用イメージを具体的に抱きにくい企業もある。
そこで8月中旬以降をめどにAI活用の構想や設計段階にある企業も協業の対象に広げる。初歩的な課題抽出からAI導入支援まで幅広くネット上で受け付けるプラットフォームも立ち上げる。
21年度の育成プログラムの受講者は16日から募集を開始する。9月をめどに開講し、21年度は約700人の育成を目指す。企業の実データを基に受講生同士で学び合う手法を取り入れ、モデル構築や計画立案、企業への導入提案など実践的な能力を身につける。
日刊工業新聞2021年7月16日