サントリー食品が自販機事業を改革。収益拡大を狙う「AIコラミング」とは?

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自販機1台当たりの販売数量は07年をピークに減少傾向

サントリー食品インターナショナルは、自動販売機事業の構造改革と収益性の向上に着手する。自販機を通じた直販事業を手がける3社を統合するほか、自販機1台当たりの収益性を向上させるため、人工知能(AI)や無線を活用する在庫や販売動向の管理手法「AIコラミング」を導入。オペレーションの効率化と台数当たりの収益を高め、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む自販機事業の収益回復を目指す。(高屋優理)

サントリー食品インターナショナルは2022年1月に、サントリービバレッジソリューション(東京都港区)、サントリービバレッジサービス(同新宿区)、ジャパンビバレッジ(同)を統合し、自販機事業を再編することを決めた。3社は自販機を通じた直販事業を手がけており、サントリーではグループで同じ事業を展開する3社を統合することで組織をスリム化する。

自販機事業は自販機オペレーターに商品を販売する事業と直販事業の二つに大別される。サントリーでは、オペレーターなどへの販売事業をグループのサントリーフーズに集約し、直販事業3社をサントリービバレッジソリューションに統合。顧客満足度の向上と経営効率化を図る。サントリーが組織再編に踏み切る背景には、自販機を取り巻く厳しい市場環境がある。

飲料総研(東京都新宿区)によると、自販機での飲料の販売数量は他の販路との競合などがあり07年をピークに微減が続き、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、前年比15%減と落ち込んだ。これに合わせて、1台当たりの販売数量も07年をピークに減少。19年までは年数%の減少幅で推移していたが、20年は前年比12%減となり、収益性の低下が課題となっている。

自販機事業を展開する飲料やオペレーター各社は2000年代まで、置けば売れる自販機の設置台数の拡大に注力していた。だが、07年以降、市場が徐々に縮小し、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売数量が大幅に減少。1台当たりの収益性を高める戦略にシフトしつつある。

構造改革に加えてサントリーが取り組むのが、20年からテストを始めた「AIコラミング」だ。AIコラミングは自販機に無線を取り付け、在庫状況を常時把握。これにより、自販機の欠品を減らし、オペレーションのルートを最適化することで効率化を図る。将来的には需要予測につなげ、より売れる商品を売れる場所、売れるタイミングで置き、売れる自販機を効率よくオペレーションする仕組みを作りたい考えだ。

日刊工業新聞2021年6月22日

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