水素ステーションのコスト減につながる新型圧縮機の実力

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水素ステーション用圧縮機ユニットの現行機

加地テックは2021年度内にも燃料電池車(FCV)水素ステーションのコストダウンにつながる新型圧縮機を市場投入する。従来機に比べて圧縮機構を簡素化した。顧客企業で性能確認試験に入っており、良好な結果が得られ次第、提案を本格化する。国の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、圧縮機の25年ごろのコスト目標として16年比45%減が掲げられており、新型機とその量産効果で達成を目指す考えだ。

新型圧縮機は、標準型の吐出圧力82メガ(メガは100万)パスカル、吐出量1時間当たり340ノルマル立方メートルといった能力はそのままに、従来機の3気筒5段圧縮タイプを改良し、2気筒4段圧縮で実現する。設置現場での安定的なメンテナンス性にも配慮し、圧縮機ユニットの過度なコンパクト化は避けた。導入コストだけでなく運用コストの抑制も意識している。

気体の水素を超高圧に圧縮する圧縮機ユニットは、水素ステーションを構成する主要機器。FCVの普及による水素社会の実現にはステーションのコスト低減が課題で、国は主要機器ごとにコスト低減目標を設定して、メーカーらに技術革新を促している。加地テックは45%減の目標に対して現行機で約30%減まで到達しており、新型機でさらなる深化を目指す。

加地テックの圧縮機は20年度までに全国39カ所のステーションに納入済み。国のロードマップではステーションを25年までに320カ所、30年までに900カ所を整備する計画。コスト目標は1社で1年に100台生産した場合を前提として立てられており、達成には新型機投入だけでなく、想定通りの市場拡大が必須となる。

日刊工業新聞2021年6月8日

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