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コカ・コーラとウエルシアがペットボトル回収拡大、課題は活動周知

コカ・コーラとウエルシアがペットボトル回収拡大、課題は活動周知

ウエルシア店舗に設置したペットボトル回収ボックス

コカ・コーラボトラーズジャパンとウエルシアホールディングス(HD)は、ウエルシアの店舗で実施するペットボトル容器の回収プロジェクトを3月から順次拡大する。2020年9月から始め、現在は栃木県小山市内の11店舗で実施中。現状は洗浄後で異物混入もない容器が回収できており、リサイクルの仕組みに手応えを感じている。ただ課題は取り組み自体の周知とみて回収拠点となる店舗を広げる。(相模支局長・石橋弘彰)

ウエルシアHDは石油由来プラスチックの使用量削減などESG(環境・社会・企業統治)活動に熱心ながら、ペットボトルの店頭回収は初の試み。コカ・コーラボトラーズジャパンもドラッグストアと容器リサイクルで連携するのは初めて。同社の計良裕一サステナブルストラテジー部長は「環境施策に関して協議する中で、レジ袋に続く環境貢献策としてウエルシアHDから提案があった」と振り返る。

実証では、店頭に置いたリサイクルボックスでペットボトルを回収し、コカ・コーラボトラーズジャパン監修の下、それを中間処理業者が収集し、ボトルを粉砕、洗浄して再原料化する。いわゆる「ボトル・ツー・ボトル」の工程を採用した。春の本格展開までの実証期間中に、回収量、回収した容器の質、再原料化までのコストを検証するという。

これまでを振り返ると「回収量はまだ少ないが、きれいな容器が集まっている」(計良部長)といい、質についてはクリアしている。自動販売機のそばにある回収箱では、回収物の3割が樹脂容器などの異物だという。だが、ドラッグストアには洗浄後の容器が集まるため、既存の回収手段より分別などの手間が減る。

残る検証は回収量と物流コストだ。中間処理業者が店舗を回って収集するため、物流コストは量が集まればおのずと見合うものになる。そのため、店頭回収を消費者に知ってもらうことが何よりも重要になる。

食品スーパーなどではペットボトルやトレーなどの資源を回収する取り組みはよく知られている。だが、ドラッグストアでは取り組みがようやく始まったばかりだ。

ウエルシアHDは、業界全体で取り組むことで効果をより大きくできると考えており、今後、同業の企業にも参加を呼び掛けていく。ドラッグストアでペットボトル回収が定着するか、早速正念場を迎えている。

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