話題の「半沢頭取」が目指す三菱UFJ銀行は、課題解決型のサービス集団へ
三菱UFJ銀行は24日、2021年4月1日付で半沢淳一取締役常務執行役員(55)が頭取に昇格する人事を発表した。三毛兼承頭取(64)は、持ち株会社の三菱UFJフィナンシャル・グループの会長に就く。低金利環境や非金融企業との競争、コロナ禍などで銀行業の変革が急務の中、若返りを図って構造改革を一気に進める。
半沢次期頭取は同日開いた会見で、「お客さまと向き合い、お客さまの課題を認識して課題解決型のサービスにこだわりたい」と意気込んだ。
【略歴】
半沢淳一氏 88年(昭63)東大経卒、同年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。14年執行役員、19年取締役常務執行役員。埼玉県出身。
素顔/三菱UFJ銀行頭取に就任する半沢淳一(はんざわ・じゅんいち)氏 王道歩むも偉ぶらず
早くから頭取候補と目され、企画を中心に王道を歩んだ。それでも偉ぶらずおおらか。そんな人柄を慕う人が行内に多い。
「お客さまとの距離感を短くしたいのが正直な思い」「現場の行員に戦略を直接説明する機会を増やしたい」―。
24日の就任発表の場でも、他者との距離感の近さを大事にする言葉を多く発した。取引先にその競合企業の製品を土産として持参したという、若手時代の失敗談をためらわず明かし、会場を和ませた。
事業への貢献度は抜きんでる。キャリアの中でも経営企画部の次長として、旧UFJグループとの経営統合に奔走した。
亀沢宏規三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)社長いわく「半沢氏はMUFGの礎をつくった」。
趣味はスポーツ観戦とウオーキング。強い信念は必ず成就するという「一念天に通ず」が座右の銘だ。(編集委員・六笠友和)