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「デハ236号」も展示、“本物”を見て触れる京急ミュージアムが社員に与える効果

「デハ236号」も展示、“本物”を見て触れる京急ミュージアムが社員に与える効果

京急の歴史的車両「デハ236号」が展示されている

こだわった“本物”展示

昭和50年代(1975―84年)まで使われた車両など細部までこだわった“本物”を展示する京浜急行電鉄の「京急ミュージアム」。コンセプトは「『本物』を見て、触れて、楽しむ」。実写映像を使った「鉄道シミュレーション」や、オリジナルデザインの鉄道玩具(がんぐ)を工作できる「マイ車両工場」などの体験型コーナーを設けた。子どもから大人まで幅広い年代の人たちが訪れる。

「京急ヒストリー」のコーナーには、昭和4年(29年)製造で同53年(78年)まで活躍した車両「デハ236号」を展示している。同ミュージアムの設立に合わせて約2年かけて修復した。展示コーナーでは車両以外にもホームやドア開閉ボタン、ゴミ箱など細部まで本物にこだわって再現。車両修理では当時を知るOB、そのほかの再現などは鉄道ファンから資料提供といった協力があったという。

館内中央にある「京急ラインジオラマ」では、京急の沿線風景を再現した。ジオラマを走行する鉄道模型の先頭部分に搭載したカメラ映像を見ながら本物の電車運転台で模型を操作できる。

「鉄道シミュレーション」コーナーでは本物の運転台による運転体験ができる

鉄道シミュレーションも本物の運転台で運転体験できる人気コーナーだ。佐藤武彦館長の発案で設けた小さな子どもでも楽しめる「わくわくコース」に加え、難易度が異なる初級から上級までの計4コースを用意した。

ほかにもバスの運転台を再現した「バスネットワーク」、鉄道玩具「プラレール」の工作体験ができる「マイ車両工場」も子どもを中心に人気がある。

同ミュージアムは2019年に移転した京急グループ本社ビル1階にあり、来館者と社員の接点の場となっている。また、来館する子どもの笑顔を見ることで社員の勤労意欲にもつながっている。

※現在は新型コロナウイルス感染症の影響で入館制限を実施している。見学は1日3回(10時、12時半、15時)の入れ替え制で、先着50人に入場整理券を配布する。体験コーナーも抽選制となっている。
【メモ】開館時間=10―16時半▽休館日=火曜日、年末年始、特定日▽入館料=無料▽最寄り駅=横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島駅」▽住所=横浜市西区高島1の2の8▽電話番号=03・5789・8686または045・225・9696
日刊工業新聞2020年11月13日

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