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苦境の中小企業を支援、三菱UFJが最大1500億円の「SDGs債」を発行

国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する事業に資金使途を絞った「SDGs債」への関心が高まっている。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、月内に個人投資家向けに新型コロナウイルス対応を主対象とした社債を発行する。使途を環境や社会課題の解決に限った社債「サステナビリティボンド」で、最大1500億円を予定する。コロナ禍で資金繰りに窮する中小企業の融資などに使う。

MUFGは6月、機関投資家向けに同様のサステナビリティボンドを5億ユーロ(約620億円)発行した。同社債への個人投資家の関心が高かったという。個人向けの需要が見込めると判断し、新たに円建てで発行することを決めた。

SDGs債は資金使途について、地球環境に貢献する案件に限る「グリーンボンド」、社会課題を解決する「ソーシャルボンド」、地球環境と社会化課題解決の両方に向けた「サステナビリティボンド」などに大別される。

MUFGは本年度に入り、これら債券の枠組み「グリーン/ソーシャル/サステナビリティボンドフレームワーク」を改定。同社によると、国内で初めて新型コロナ対策につながる資金使途を規定していた。

現状、大手3行のSDGs債の発行はMUFGにとどまる。ただ、日本証券業協会によると、2019年に日本国内で公募されたSDGs債の発行額と発行件数は約1兆2000億円、83件と、ともに前年から2倍以上に増えた。新型コロナの感染拡大と起債規模の相関を把握するのは難しいとされるが、20年は1―6月の起債が約6000億円、41件と前年並みの進捗(しんちょく)で、初めて発行する企業が増えている。

日刊工業新聞2020年9月11日

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