楽天モバイルに5度目の行政指導、スマホ電波法に違反
総務省は10日、楽天モバイルの自社スマートフォン「楽天ミニ」について、電波法令の順守と利用者利益の保護の徹底を求め、文書で行政指導を行った。同社が同省から行政指導を受けるのは今回で5度目。12月末まで再発防止に向けた毎月の取り組み状況を報告することを求めた。
同社は1月に楽天ミニを発売。発売から現在までに対応周波数帯を2度変更したが、必要な工事設計認証を再取得しなかったり、誤った認証番号を表示した状態で販売したりした。同省は6月12日、工事設計に合致していない恐れがあるとして報告を要求。同社は同26日に報告書を同省に提出していた。
同省はスマホを含む特定無線設備を販売する際、工事設計認証の取得を義務づけている。そのため同社が認証を再取得せずに販売していたこと、誤った認証番号を表示して販売したことは電波法違反と判断。また、対応周波数帯の変更を消費者に説明せず販売していたことは利用者利益を損なうとして問題視した。現在までに必要な認証を取得し、ソフトウエア更新で正しい認証番号を表示できるようにしたため、製品回収は必要ないと判断した。
変更によって、主に大手携帯3社が使う周波数帯に非対応となった。同社と通信契約を結んで利用する場合には問題ないが、他社の通信回線で利用する場合、通信エリアが狭まるなどの支障が出る可能性がある。