未来で不在票はなくなるか?佐川がAIで在宅推定
佐川急便は、9月から神奈川県横須賀市で、スマートメーター(通信機能付き電力量計)から得られる電力データを元に、人工知能(AI)が在宅を推定して最適配送ルートを設定する実証実験を行う。宅配業界の課題となっている不在配送問題解消策の一つとして取り組む。2022年にも実運用して“再配達率”の改善につなげる。
共同研究相手の日本データサイエンス研究所、東京大学、横須賀市、グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合と、実証実験の共同声明書に調印した。
実験では市内の100―200世帯を対象に、同意を得て30分単位のリアルタイム電力データを取得。配送予定を元に、個人情報の秘匿に配慮してAIが配送先の在宅を判定、最適なルートを作成して配達員に提案する。机上では不在配送の75―89%を削減できると試算する。本村正秀社長は「渋滞緩和、環境負荷の低減につなげたい」と期待を示した。