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光回線接続から電力小売まで。度重なる行政指導・処分で倒産した新興企業の必然

あくびコミュニケーションズ、急成長の裏に…

あくびコミュニケーションズは、2015年3月に設立。大手通信事業者の高速インターネット回線や光回線への接続サービスと自社サービスを掛け合わせて販売する形態をとり「AKUBIネット」や「AKUBI光」事業を展開していた。

要支援・要介護認定の利用者と、その家族を対象にした割引サービスをいち早く取り入れるなど柔軟な販売手法で業容を拡大。さらに自社オリジナルの格安高速モバイル「AKUBIモバイル」の販売事業や電力小売りサービス「AKUBIでんき」事業を展開するなど多角化を図り、創業からわずか4期目の決算となる19年2月期には年売上高約46億600万円を計上するなど急成長していた。

しかし、順調な業績推移の裏側で、同社の信用不安が騒がれていた。度重なる行政指導や行政処分が問題視されていたのだ。17年6月には、総務省より「自らをあたかも大手通信業者の代理店であるかのように名乗り勧誘を行った」などの行為に対して行政指導を受けた。

19年4月には消費者庁より「氏名等の明示義務違反」や「役務の対価についての不実告知」があったとして、6カ月間の一部業務停止命令を受けた。さらに20年2月には、総務省より「利用者らに何らの説明や通知等必要な情報提供を行っていなかったにもかかわらず、(中略)合計7752万円を過大に徴収した事実が判明した」として業務改善命令を受けた。

こうした度重なる行政指導・処分により、ブランドイメージが著しく毀損(きそん)した結果、契約解除が相次ぎ資金繰りが逼迫(ひっぱく)したため自己破産の申し立てを行った。

故意であるか否かにかかわらず、行政処分を受け続けるということは社会的制裁を受けることに直結し、その結末が倒産という形で締めくくられるというケースは珍しくない。改めて、法令順守の重要性を肝に銘じておきたい。

(文=帝国データバンク情報部)
日刊工業新聞2020年3月24日

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