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「日本一高い 日本一うまい」まんじゅう屋、ブランド残しなぜ倒産?

花園万頭、税金滞納が再建の足かせに。銀座千疋屋グループがスポンサーに
「日本一高い 日本一うまい」まんじゅう屋、ブランド残しなぜ倒産?

看板商品になった『ぬれ甘なつと』(同社公式ページより)

 1834年に石川県で創業し『花園万頭』など名物和菓子の製造販売元である花園万頭は、7月2日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。5月31日に破産を申請した後も、事業譲渡先を探しながら46店舗で営業を続けていたが、銀座千疋屋グループがスポンサーに決定。6月29日に同グループのパティスリー銀座千疋屋が新設した新・花園万頭に事業を承継し営業を継続している。

 1930年に新宿三光町に拠点を移したことをきっかけに、近隣の花園神社にちなんで『花園万頭』を製造。まんじゅうは当時1銭が相場のところを倍の2銭で販売。「日本一高い 日本一うまい」まんじゅう屋として定着した。その後は看板商品『ぬれ甘なつと』も誕生し、92年6月期には売上高は約47億円を計上、その後、約80店舗まで拡大した。

 だが、百貨店の不振やリーマン・ショックによる消費低迷で、2009年6月期は当期純損失約7億6000万円の大赤字。コンビニスイーツの台頭で競争も激化し、バブル期の設備投資による有利子負債も重く、13年6月期には債務超過に転落した。

 新商品を発売しラインアップを増やしたが奏功せず、売り上げは減少した。そうした中、17年2月末には、消費税などが遅延。一部管理職の給与遅配も生じ、取引先に対して支払いの延期を要請していた。

 3月以降は金融機関への元利金の返済・支払いを停止。公租公課の滞納は、4月末までに約1億5000万円に達していた。金融機関に運転資金の借り入れを打診したものの白紙となり、5月末の支払いが困難となった。

 民事再生を検討していたが、スポンサーとの話は固まっていない。公租公課の滞納分の差押がなされる可能性があり、やむなく破産となった。

 ブランド力がある企業であっても公租公課を滞納していたことが再建への足かせとなった。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業概要>
(株)花園万頭
住所:東京都新宿区新宿5−16−15
代表:石川一弥氏
資本金:4000万円
年売上高:約19億272万円(17年6月期)
負債:約24億4124万円
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
「日本一高い 日本一うまい」という称号が付いたお店は案外と潰れやすい。慢心もあるだろうけど、無理するんですよね、いろいろ。

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