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旭化成の電池向けセパレーター、生産能力が伸びる伸びる

設備投資に300億円、年15億5000万平方メートルに
 旭化成は14日、日米でリチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材=写真)工場を増強すると発表した。年産能力全体は現状(建設中含む)と比べて41%増の15億5000万平方メートルに拡大する。設備投資額は約300億円で、2021年度上期に商業運転を開始する予定。

 同社は滋賀県守山市と米国ノースカロライナ州の既存工場内に新たなセパレーター製造設備を導入する。加えて、生産品目や製造ラインの統廃合により生産性も高めて、能力増強を果たす。増設の内訳は守山で湿式膜3億平方メートル、ノースカロライナで乾式膜1億5000万平方メートルとなる。

 また、25年ごろにセパレーターの年産能力を湿式・乾式合計で30億平方メートルまで拡大する計画も明らかにした。

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日刊工業新聞2019年3月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
東レも投資を計画中。日覚社長は生産拠点の候補地を「18年度内には決めたい」と話していたが、まだ発表はない。「欧州か中国か米国か、あるいは韓国か、早く決めてスタートする必要がある。顧客の立地にもよる。今までは欧州の電気自動車(EV)化が早く進んでいたが、最近は中国も需要が伸びており、そのあたりをどう考えるかだろう」と日覚社長。 また昨年には宇部マクセルが車載用リチウムイオン電池向けセパレーター絶縁材原膜製造設備を増強すると発表。2020年8月に完成する計画。これにより、宇部興産と宇部マクセルのセパレーター原膜の年産能力は従来比28%増の計3億2000万平方メートルとなる。

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