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今、年収が高い職種は医師か金融かそれとも…

ビズリーチ調べ。「食品工場長」など専門性が高い職種もランクイン
 ビズリーチ(東京都渋谷区)は19日、正社員の職種別年収ランキングを発表した。上位10位を見ると、1位「医師」と5位「最高情報責任者(CIO)」、9位「セキュリティコンサルタント」「戦略コンサルタント」以外は、金融専門職が占めた。また30位以内には、経験・専門性が必要とされる食品工場長、臨床開発などもランクインしている。調査は同社が運営する運営する求人検索エンジン「スタンバイ」に掲載(4月30日時点)されている正社員求人約319万件を対象に、職種別の提示年収の中央値を算出したもの。

 高額年収のイメージが定着している「医師」だが、医師不足ありその希少性も増している。勤務医は全国に約30万人いるが、不規則な生活を送る人も多く、激務に対する対価として高年収が提示されている。

 上位を占めた金融。金融専門職の年収が高い傾向にあるのは、金融業界は規制業種で他業種ほど競争環境は厳しくなく、高い利益率を確保できている背景もある。また、成果主義が徹底されていることもある。

 5位に入ったCIO。企業においてIT戦略や情報セキュリティーが重要課題となっており、経営戦略に沿った情報戦略・IT投資計画の策定などに責任を持つ上位役員が求められている。一方で、経済産業省の調査によると、国内のCIOの設置率は29.5%で需要過多により年収が高くなっている。

 IT人材不足はより深刻化しており、上位30位にはデータサイエンティストやシステムコンサルタントなどIT専門職が多くランクインしている。

 就職ランキングでも人気の高いコンサルティング会社。外資系の戦略コンサルティングファームをはじめ高収益の企業が多く、成果主義が徹底されいる。生産性の向上が求められる中、組織や人材に関連する「組織コンサルタント」「人事コンサルタント」がランクインした。一方で、外部から「プロ経営者」を招く企業も増え、「C●O」の職種も上位を占めている。

 わずかにトップ10入りを逃した「食品工場長」だが市場価値が高まっている。工場の管理責任者、生産管理の責任者などの経験が必要であり、工場長経験者は非常に少なく高年収となっている。
                 
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
食品工場長は結構意外でした。「高度プロフェッショナル制度」も議論されているが、仕事に対する対価をどう見るか。企業の存続にも関わってくる問題。

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