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【今週のリケジョ小町】「ニンジャ250」のエンジン部品を開発

川崎重工業株式会社 野口 亜矢さん
**バイクエンジンの部品設計
入社3年目の野口亜矢さん(32)は、川崎重工業で、排気量250−650ccのバイクに搭載されるエンジンの部品設計に従事する。2月に国内販売される「ニンジャ250」の部品設計もし、初めて量産機を担当。「お客さまの反応を見つつ、より多くの車種に携わっていきたい」と意欲を見せる。

鳥人間コンテストで優勝


「建築の仕事をする父の姿を幼いときに見て楽しかったからか、小学生で算数の面白さに引かれ、大阪府立大学大学院で航空宇宙工学を専攻。鳥人間コンテストに出場しタイムトライアル競技で優勝できたため、モノづくりの道を究めようと決めました。でも実は飛行機の設計は担当しなかったんです。設計の仕事に未練があったし、飛行機づくりで私が携われるのは一部のみ。もっといろんな設計をしたいと思い、頭に浮かんだのがバイクでした」

「大学院を出て他の2輪メーカーに就職。結婚を機に退職後、2輪の仕事にもう一度就きたくて、川重の門をたたきました。バイクの魅力は製品だけでなく、携わる人たちの熱意の大きさ。私もバイクが好きなので仕事がつらいと感じたことはあまりありません。人の命を乗せるものですから、設計に気が抜けません。初期段階から各部門の意見をもらいながら仕事しています」

ニンジャ250で初めて量産機を設計


「ニンジャ250で初めて量産機の設計に携わりました。私が手がけたものをお客さまに楽しんでもらえるのは一人のエンジニアとして、またライダーとしても最上の喜び。このうれしさを胸に、より多くの車種の設計に関わりたいですね」

「休みの日は、2歳の娘にも2輪車に興味を持ってもらおうと、一緒に自転車に乗っています。将来は鈴鹿8時間耐久レースも家族で見に行きたいですね。もちろん、鳥人間コンテスト観覧も欠かせません」

   

(文=山田諒、写真=大阪・清家史彦)
日刊工業新聞2018年1月22日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
国内販売が落ち込むバイクですが、携わる人が熱意と愛情を持って作っていることが伝わってきます。

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