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燃油コスト上昇も航空会社は儲かる?18年の純利益は11%増

IATAが見通し。旅客と貨物の航空需要がともに高まる
燃油コスト上昇も航空会社は儲かる?18年の純利益は11%増

IATA公式フェイスブックページより

 IATA(国際航空運送協会)は現地時間12月5日、世界の航空会社による2018年の純利益予想について、過去最高となる2017年見込み比11%増の384億ドル(約4兆3200億円)と発表した。2017年の純利益見通しは、6月の発表値を31億ドル上回る345億ドルに引き上げた。旅客と貨物の航空需要がともに高まり、利払いの減少などが人件費や燃油費の上昇といったコスト増の要因を吸収するとみられる。

 旅客数は2017年と比べて6.0%増の43億人を見込む。これを受け、総収入は9.4%増の8240億ドルと予想。営業利益率は0.2ポイント低下して8.1%となる見通しだが、純利益率は0.1ポイント改善して4.7%を見込む。貨物量については、4.5%増の6250万トンと予想している。

 一方、旅客数と貨物量の伸び率については、旅客が2017年の7.5%増に対して2018年は6.0%増、貨物は9.3%増が4.5%増と、ともに需要の減速を見込んでいる。有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)は比6.0%増、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は5.7%増、ロードファクター(座席利用率、L/F)は0.2ポイント上昇し81.4%を見込む。

 原油価格は10.7%増の1バレル平均60ドル、ジェット燃料価格は12.5%増の73.8ドルを予想。コストに占める燃油費の割合は1.7ポイント上昇し20.5%を見込む一方、人件費は30.9%と燃油費を上回ると予測している。

 ジュネーブで予測を発表したIATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は「航空貨物の需要は、10年来で最も高い水準にある。雇用が拡大し、新路線も増えており、航空会社は持続可能なレベルの収益性を達成している」と語った。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
世界の航空会社の2018年純利益予想。人件費や燃油費の上昇といったコスト増要因があるものの、好業績が期待されます。

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