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「350」に「787」、最新鋭機は日本路線の切り札になるか

ベトナム航空、サービス拡充。エアバス「350」で先行
 ベトナム航空は欧エアバスA350型機や米ボーイング787型機など、日本路線に相次いで投入し、座席や機内食などサービスの改善を図っている。他社に先駆け、2016年10月に関西―ホーチミン線、3月には羽田―ハノイ線に、A350を投入。ベトナム航空はA350やボーイング787を、週70便運航する日本路線のサービス拡充の切り札と位置づけており、日本路線へ優先的に投入している。今後はビジネスクラスとプレミアムクラスの中間にあたる、プレミアムエコノミークラスを設定する計画だ。

 ベトナム航空が日本に初めてA350を就航したのは15年9月。その後、16年10月に関西―ホーチミン線に定期便として本格的に導入。直近で就航した羽田―ハノイ線は、定期便としては2路線目となる。ベトナム航空はA350を他社に先行して導入しており、日本には同社が初就航した。日本航空(JAL)もA350を導入する計画だが、初号機は19年の受領となる。

 A350を導入する前は小型のA321を中心に運航していた。A321に比べ、約1.7倍大型化したことで、ビジネスクラスの機内食では、料理を一品ずつ陶器のお皿に盛って提供するようになった。

 キッチンが広くなったことで、客室乗務員が機内で料理を盛り付けることができるようになったためだ。17年10月末から始まる冬ダイヤからは、プレミアムエコノミークラスを設け、3クラスにして、より高いサービスを求める日本市場の需要に、きめ細かく対応する。

 ベトナム航空は羽田、成田だけでなく、全日本空輸(ANA)やJALなど、日本の航空大手が就航していない関西や中部、福岡にも就航している。日本路線は合計週70便を運航しており、国際線の国別の運航本数では中国に次いで、2番目となる。

 「新機材の導入で、日本の航空会社が就航していない関西を中心に顧客満足度の向上が顕著で、マイレージプログラムの加入数が拡大している」(木間政浩ベトナム航空日本支社プロダクトマネージャー)と、新機材の導入が顧客の囲い込みにもつながっている。ベトナム航空はA350を14機発注しており、現在7機を保有している。今後も受領に合わせ、日本路線への投入を拡大していく計画だ。
日刊工業新聞2017年07月14日 モノづくり面
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
エアバス350型機はベトナム航空以外にも、フィンエアーやシンガポール航空なども就航しており、徐々に日本からでも乗れるようになっています。

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