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フラワーインテリア会社倒産に見る「君子危うきに近寄らず」

スポンサー候補の素性に注意
フラワーインテリア会社倒産に見る「君子危うきに近寄らず」

ラポールのニュースリリースより

フラワーインテリアを販売していたラポールは、2014年1月にA氏が代表取締役社長に就任した時から「歯車が狂い出した」と言われている。

 何が問題だったのか。まず、A氏は倒産歴のある人物だった。食肉関連の事業を手がけていたが、09年に自己破産を申請した。「資金流出や粉飾決算疑惑などの問題を抱え上場廃止となったX社のグループ会社Y社で監査役だった」とも認識されていた。Y社の資料では、A氏と同姓同名の人物が監査役に就いている。

 さらに、Y社の役員名簿にはラポール幹部職のBと同姓同名の記載がある。これらの情報を捉えていた某取引先は「以前から両名は面識があったはず。ラポールでも何か問題を起こすのでは」と推測していた。

 結果的にA氏にまつわる推測は当たっていたのかもしれない。同社が裁判所に提出した民事再生事件記録には、A氏が「多額の使途不明金を生み出した」「複数の決算書を作成し、適宜使い分けながら融資打診した」「百貨店での出店契約に反する内容の公正証書を作成した」と書かれている。経営者としての資質が問われる行為ばかりだ。

 粉飾決算の恐ろしさは、順調を装っていても、内部はズタボロであるため、問題が表面化すれば一気に状態が悪化する点だ。ラポールも業績好調のはずが、資金不足に陥り、問題の表面化以降は急展開であった。7月には第三者破産を申し立てられ、10月に民事再生法の適用を申請した。

 今後は「スポンサーを迎えるほか、新代表に交代した経営体制で再建を目指す」が、スポンサー候補の素性を警戒する声もあり、債権者は冷ややかだ。再建への道はいばらの道となりそうだ。コンプライアンス問題を抱えた企業との取引は何が起こるか分からない。君子危うきに近寄らず。このひと言に尽きるのかもしれない。
<会社データ>
ラポール(株)
住所:東京都港区虎ノ門1-16-16
代表:五十嵐孝夫氏
資本金:1億7137万5000円
年売上高:約13億8300万円(16年10月期)
負債:約23億3000万円
(文=帝国データバンク情報部)
日刊工業新聞2017年11月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
ちなみに「君子危うきに近寄らず」は孔子の言葉ではありません。

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