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昨年度の倒産で最も負債額が多かった意外な企業

パナソニックのプラズマ子会社で5000億円。製造業は件数の減少続く
昨年度の倒産で最も負債額が多かった意外な企業

物流倉庫に生まれ変わるパナソニックの旧プラズマ工場

2016年度の倒産件数は前年度比255件減の8153件と8年連続で前年度を下回ったが、減少幅は2年連続で縮小した。負債総額は同2・1%増の1兆9465億1500万円と2年連続プラス。負債トップは、パナソニックプラズマディスプレイ(11月、大阪府)の5000億円で、同社の倒産が負債総額全体を押し上げた。

 業種別では、7業種中6業種で前年度を下回った。このうち建設業(1558件)は8年連続、製造業(1036件)は7年連続の前年度比マイナス。また、建設業、製造業、卸売業の3業種は00年度以降、最少だった。

 一方、サービス業(1774件)は5年ぶりに前年度比プラスとなった。消費者の嗜好(しこう)や流通構造の変化、大手参入による環境の変化は加速度を増しているうえ、人口減少で需要のパイの奪い合いは今後さらに熾烈(しれつ)になることが予想される。

 足元では、格安海外旅行会社のてるみくらぶ(負債151億1316万円、破産)や結婚式場を運営していたBrilliaを含むグループ4社(負債合計98億円、破産)、脱毛サロン「エターナルラビリンス」経営のグロワール・ブリエ東京(負債49億6500万円、破産)といった、個人向けビジネスを展開する企業の大型倒産が3月に相次いだ。いずれも申込金などが返還されないケースもあり、一般消費者に与えるインパクトは大きい。

 今後は国内外でのリスクが多様化するなか、企業を取り巻く経済環境の不安要素は多い。とはいえ、戦後3番目となる長期の景気回復が続き、人手不足対策などを新たなビジネス機会と捉える企業も現れている。

 こうした状況の下、企業倒産件数は抑制された状態が今後も続き、17年度は8000―8300件程度になると見込まれる。
             

(文=帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2017年4月18日



関西で産業の「再生」広がる


 関西でテレビ工場が物流拠点に生まれ変わる例が相次ぐ。家電大手は海外勢の台頭でテレビ事業の価格競争力を失い、縮小や撤退を余儀なくされている。工場閉鎖などに伴う遊休地の転用で目立つのが物流施設だ。昨今の物流に求められる機能は多様で施設内には働く人員も多い。産業の新陳代謝で、地元に雇用と税収を確保する効果も期待される。

 パナソニックのテレビ事業発祥地、茨木市松下町で2015年12月、物流施設の起工式が行われた。17年11月にヤマトグループの総合物流ターミナル「関西ゲートウェイ」として稼働する計画だ。ヤマトホールディングス(HD)大谷友樹上席執行役員は「物流に付加価値をつける拠点を探していた」と明かす。

 関西最大級の新拠点はBツーB(企業間)、BツーC(対消費者)で関西圏に即日配送を実現する役割を担う。かつて同地はテレビの主力工場であり、各地へ出荷するトラックが盛んに往来した。名神高速の茨木インターチェンジに近く、東西南北に高速道路が延びる結節点に立地する。

 パナソニックから12万平方メートルの敷地を取得したのは大和ハウス工業だ。約500億円を投じて、ヤマト専用施設を建てる。残る敷地も物流施設を予定。パナソニックが残している一部機能も5年以内に転出する計画だ。

 大和ハウス浦川竜哉常務執行役員は「次の産業への転換を、お手伝いするのが使命だ」と示す。14年3月のテレビ生産終了は地元に大きな衝撃だった。しかし物流適地という地の利を生かして、最新物流拠点に再生する。

 パナソニックはプラズマディスプレイ(PDP)の尼崎第3工場(兵庫県尼崎市)も15年秋、物流不動産投資のセンターポイント・ディベロップメント(東京都港区)に売却。最新鋭パネル工場としては短命に終わったが、改装して物流施設としての”第二の人生“を歩むことになる。

 経営再建中のシャープも、堺市堺区の大型液晶工場に隣接して遊休地を抱えており、現金化を急いでいるようだ。交渉相手として名が挙がる大和ハウスの幹部は「(交渉は)金額とタイミング次第」と話す。

 産業構造の転換に合わせて土地の役割も変わる。関西で今、物流施設の建設ラッシュが続くが、一部には過剰供給を心配する声も聞こえる。長期の活用を考える物流事業者は、付加価値の高い自社専門施設を選ぶ傾向にある。床面積を確保すれば埋まるという時期は終わり、早くも優勝劣敗が始まりそうだ。
(文=大阪・小林広幸)

日刊工業新聞2016年1月6


※内容、肩書は当時のもの
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
子会社の精算なので意外ではないが、改めてディスプレー産業の巨額投資とニッポン家電の敗北を見せつけられる。倒産件数よりも中身の変化に注目しなければいけない。最近は人手不足で介護産業などで倒産が増えている。

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