食・観光だけじゃない北海道。豊かな農産物生かし食品加工機で攻勢

 北海道の食品加工機械メーカーの動きが活発だ。新製品の開発や新たな販路開拓、海外への展開も進めている。食と観光に続く産業としてモノづくりを含めた「3本柱」を目指す北海道において、道内モノづくり企業の食品加工に関する取り組みは、豊富な道産食材の付加価値向上などにつながると注目される。

 シンセメック(北海道石狩市)は自動車関連企業向けを中心に各種設備の受注生産を手がけるが、近年は「カボチャ乱切り装置」など食品加工機械にも力を入れている。

 北海道立総合研究機構工業試験場と1個当たり4秒程度で処理するジャガイモ芽取り機を開発した。皮をむいたジャガイモを投入し、回転するジャガイモの芽の位置を確認する。ドリルを取り付けたロボットアームで、ジャガイモの表面積における約8割の芽を削り取る。出展した展示会で得た反応などから改良を進め、「年内の商品化を目指す」(松本英二シンセメック会長)と話す。

 ASCe(アスク、札幌市白石区)は自動化・省力化機器開発、設計・製作を手がける。技術力を生かして開発したニードルレスインジェクターは、食材に水鉄砲のように高圧で調味液を飛ばし、打ち込むように対象物に注入する独自の装置。針を使わないため、注入時に針が折れるなどの異物混入リスクが少ない。

 水産関連で初の受注が決まり、9月にも納品する予定。北海道立総合研究機構食品加工研究センターでも有用微生物を活用した発酵食肉製品の開発において、ニードルレスインジェクターを使うことで工程効率化などにつながったという。販売実績と研究結果を含め、食品分野に広く訴求していく。

 エフ・イー(北海道旭川市)はダイコンの洗浄機などを手がけ、北海道旭川市の官民と連携してベトナムへの事業展開を進めている。

 同社など旭川市の4社と建設コンサルタントの長大(東京都中央区)は、ベトナム企業4社とクアンニン省の農業発展に取り組む「農業コンソーシアム」の設立に向け覚書を結んだ。各社と連携し、自社の機械などの事業展開を進めるとともに、現地で生産するためのベトナム人の技術者育成なども見据えている。
(文=札幌・山岸渉)

日刊工業新聞2017年8月9日

昆 梓紗

昆 梓紗
08月09日
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海外では「北海道」のブランド価値が高まっており、観光客も増加。この波に乗って食品加工機への注目も高まっていくでしょうか。

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