原子力機構の経営主体を変えない限り意識改革は進まない

職員の被ばく事故、大きな禍根

 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で核燃料物質の点検作業中に職員ら5人が被ばくした事故で、うち50代の男性1人の肺から放射性物質プルトニウム239が2万2000ベクレル検出された。原子力機構によると、肺から検出された放射性物質はプルトニウム239。他の放射性物質も含めて5人のうち、3人から検出された。内部被曝している可能性が高いものの、現時点で健康影響は出ていないという。

 ただ、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「注意深く放射性物質を取り扱うのは基本だ。(原子力機構は)経営陣も含めて真剣に反省すべきだ」と批判。今後、管理体制の不備などが問われることになる。
 

永里 善彦

永里 善彦
06月10日
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 2013年、日本原子力研究開発機構は加速器実験施設から放射性物質が外部に漏れる事故を起こし、また高速増殖炉「もんじゅ」の杜撰な機器点検は国民の不信感を招いた。そして今回の大洗研究開発センターの放射能漏れ事故である。信頼回復に向けて組織をあげて頑張って欲しいと願っても、事故を繰り返せば、組織に問題があるのではないかと危惧される。結局、ガバナンスの問題であり、経営主体を変えないと従業員の意識改革は進まないのではないか。
 折しもエネルギー基本計画の見直しが始まり、再生可能エネルギーの推進とともにベースロード電源としての原子力エネルギーの推進という前回案に近い案が踏襲されそうである。しかし原子力部門の関係者がこのような状態では、原発への国民のアレルギーは増すだけで、理解を得られるどころではない。

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