工作機械、中国受注が急伸。でも背景がはっきりしない…

日本勢、増産検討も「10月以降は見えない」

 【北京=六笠友和】工作機械各社の中国受注が急伸している。2016年10月ごろから回復に転じ、3月以降の受注が「16年7―9月に比べ2倍になった」(花木義麿オークマ社長)との声が上がる。DMG森精機がフル稼働中の中国・天津工場の増産を検討するなど、各社が急激な受注増の対応に乗り出した。ボールネジなど基幹部品が不足しているともいう。一方、今秋以降の失速懸念もあり、慎重なかじ取りを迫られている。

 中国・北京で22日まで催される見本市「中国国際工作機械見本市(CIMT)」が、活況を呈している。「去年の今ごろはキャンセルが相次いだが足元はとてもいい」(森雅彦DMG森精機社長)と、中国の工作機械市場は突如、好転した。同社は「受注が去年に比べて倍に増えた」(同)として、天津工場での増産検討を始めた。

 オークマは不調だった16年7―9月期比で倍増だ。回復が遅れていた大物部品を加工する門型加工機も「動きだした」(花木社長)。シチズンマシナリー(長野県御代田町)は受注増を受け、現地工場で自動旋盤を「前年比で2割ほど増産する」(中島圭一社長)計画だ。

 自動車向けはこれまでも底堅かったが、今は全業種に広がりがある。好調なのは工作機械だけではない。板金機械でも「中国設計の新型ベンディングマシン(曲げ加工機)がヒットした」(磯部任アマダホールディングス社長)と上り調子だ。

ツガミ、中国工場増員。年内に1500人体制


 ツガミは2017年末までに中国で、従業員を年初比30%増の1500人にする。スマートフォン(スマホ)部品を加工する工作機械の大口受注が続き、営業利益が最高だった12年度並みの人員規模になる。17年は自動車向けを中心に幅広い産業で回復を見込む。工作機械各社が製造部門の増員や販売拠点の拡充に踏み切る動きが出てきそうだ。

 増員するのはツガミで最大の製造拠点である浙江省の工場。中国の工作機械市場は昨秋から持ち直しの兆しがあり、春節終わりの3月以降は設備投資が活発となっている。同社は市況の好転に加え自動車分野の開拓によって、3月受注が14年12月以来の50億円台に膨らんだ。

 4月末までに現地従業員を同10%超増の1300人にする。現在の環境が続けば、1500人規模までの追加増員が必要となる見通し。また、中国で生産する機種が大型化しており、従来より人手が多くかかるという理由もある。

 12年度の連結業績は売上高が528億円、営業利益が過去最高の84億円。16年度の売上高は410億円、営業利益は30億円を見込んでいる。

日刊工業新聞2017年4月20日

六笠 友和

六笠 友和
04月21日
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急伸した背景ははっきりしない。「節税対策で不動産に流れていた資金が、政策で生産設備に回っている」(日系工作機械メーカーの現地幹部)との指摘もある。先行きについては、「10月以降は見えない」(工作機械メーカー現地幹部)との見方が多い。

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