「MRJ」パリ航空ショーで初の実機展示
量産計画「17年の時点では見えず、まだ時間がかかる」(三菱航空機社長)
三菱航空機(愛知県豊山町、水谷久和社長)の水谷社長は4月1日付の就任後初めて報道各社の取材に応じ、開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の試験機を6月にフランスで開かれる世界最大級の航空宇宙産業展「パリ国際航空ショー」に出展する考えを明らかにした。MRJの実機展示は初となる。
5度目の納入延期など開発に苦戦する中、「見直したスケジュールを守る」と量産初号機の2020年半ばの納入への決意も示した。
パリ国際航空ショーなどではこれまで客室模型を展示していた。水谷社長は米国で実施中の飛行試験の進捗(しんちょく)次第としながらも、「持ち込む方向で議論している」と実機の出展に意欲を示した。
納入延期が度重なるMRJの開発は、三菱重工業本社が直轄する体制に移行。重要事項は宮永俊一三菱重工社長が判断し、水谷社長は「三菱航空機のガバナンスが逸脱していないか見守る」のが自身の役割とした。
今後の開発計画については秋までとする設計見直しを「必ず成し遂げる」と強調。増員した外国人技術者の知見を生かしているとして「当面の開発はうまくいく」と手応えを表明した。
量産計画については「17年の時点では見えず、まだ時間がかかる」とした。サプライヤーに対して開発遅れで迷惑をかけたとした上で「各社と個別に話して理解してもらう」と述べた。
三菱航空機は19日、開発中の国産小型旅客機「MRJ」について、1月に5度目の納期延期を表明して以降、受注キャンセルは発生していないことをあらためて示した。MRJの受注総数は400機(オプション含む)に上るが、都内で開いた説明会で「キャンセルの話が目の前にあるということはない」(三菱航空機)とした。
ただ、ローンチカスタマー(初号機を受領する顧客)のANAホールディングスは、MRJの一部代替として米ボーイングの機体を代替調達する方針。他の航空会社も発注計画を変更する可能性もあり、三菱航空機は最大需要地の米国などで顧客のつなぎ留めが必要となりそうだ。
5度目の納入延期など開発に苦戦する中、「見直したスケジュールを守る」と量産初号機の2020年半ばの納入への決意も示した。
パリ国際航空ショーなどではこれまで客室模型を展示していた。水谷社長は米国で実施中の飛行試験の進捗(しんちょく)次第としながらも、「持ち込む方向で議論している」と実機の出展に意欲を示した。
納入延期が度重なるMRJの開発は、三菱重工業本社が直轄する体制に移行。重要事項は宮永俊一三菱重工社長が判断し、水谷社長は「三菱航空機のガバナンスが逸脱していないか見守る」のが自身の役割とした。
今後の開発計画については秋までとする設計見直しを「必ず成し遂げる」と強調。増員した外国人技術者の知見を生かしているとして「当面の開発はうまくいく」と手応えを表明した。
量産計画については「17年の時点では見えず、まだ時間がかかる」とした。サプライヤーに対して開発遅れで迷惑をかけたとした上で「各社と個別に話して理解してもらう」と述べた。
「キャンセルの話が目の前にあるということはない」
三菱航空機は19日、開発中の国産小型旅客機「MRJ」について、1月に5度目の納期延期を表明して以降、受注キャンセルは発生していないことをあらためて示した。MRJの受注総数は400機(オプション含む)に上るが、都内で開いた説明会で「キャンセルの話が目の前にあるということはない」(三菱航空機)とした。
ただ、ローンチカスタマー(初号機を受領する顧客)のANAホールディングスは、MRJの一部代替として米ボーイングの機体を代替調達する方針。他の航空会社も発注計画を変更する可能性もあり、三菱航空機は最大需要地の米国などで顧客のつなぎ留めが必要となりそうだ。
日刊工業新聞2017年4月20日