世界最大手の地位確保へ、旭化成が車載電池用セパレーターで新工場

EV普及追い風に150億円投じ滋賀に。生産能力5割増へ

 旭化成は滋賀県守山市でリチウムイオン二次電池用絶縁材(セパレーター)の新工場棟を建設する。約150億円を投じて、主力の湿式セパレーターの年産能力全体を現状(建設中含む)比約50%増の6億1000万平方メートルに拡大する。2019年度上期に稼働する。セパレーター世界最大手として、車用駆動電池部材の供給体制を整える。電気自動車(EV)など電動車需要の拡大で、東レや住友化学、宇部興産も工場を増強している。

 旭化成は守山製造所(滋賀県守山市)内に湿式セパレーター製造の新工場棟を新設する。能力増強分は年間2億平方メートル。敷地内では18年上期稼働に向けてすでに生産設備を増設しているが、新たに設備を追加して生産能力を引き上げる。

 増強するのは湿式セパレーター「ハイポア」。守山と宮崎県日向市の2拠点で製造している。従来はスマートフォンなど電子機器向けのリチウムイオン二次電池に採用されてきたが、近年はEVやハイブリッド車(HV)など車載電池用途が急増している。

 旭化成は湿式と乾式のリチウムイオン二次電池用セパレーターを手がける。乾式は15年に買収した米ポリポアが車載用中心に手がけている。

 現在の年産能力は2億5000万平方メートル。20年までに湿式・乾式合計で年産能力を11億平方メートルまで拡大する計画だ。
                

日刊工業新聞2017年3月30日

日刊工業新聞 記者

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04月02日
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自動車業界は世界各地の環境規制の強化に対応するため、EVの販売に力を入れている。米テスラは18年に年間50万台の生産目標を掲げる。トヨタ自動車も20年までに量産体制を敷く。独フォルクスワーゲン(VW)は25年に同100万台の販売を目指し、独ダイムラーも25年までに電動車両を10車種以上発売する予定だ。特に、欧米や中国ではEV市場が拡大するのは確実だ。日本勢の市場シェアが高い電池部材産業への波及効果は大きい。
(日刊工業新聞第ニ産業部・鈴木岳志)

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