“顔認証のNEC”面目躍如!米国の動画ベンチマークテストで1位に

「迷子などをすぐに見つけ出したり、新しい価値を生み出せる」

 悪環境でも高精度に解析―。NECは16日、米国標準研究所(NIST)による動画顔認証技術のベンチマークテスト(FIVE)において第1位を獲得したと発表した。NISTのテストは世界的に権威のある評価基準。今回は動画でのFIVEを初めて実施し、99・2%という高い照合精度を実現した。空港の乗客ゲートや競技場といった実際の利用環境を想定したテストで、照合精度において他社を大きく引き離した。

 NECはNISTによる動画顔認証技術のテストで、4回連続の首位となった。2009年、10年、13年の過去3回のテストでは静止画で評価したが、今回は実際の利用シーンに即した環境で高評価を得た。

 動画顔認証はカメラを意識せずに動いている被写体の顔をリアルタイムに認証する技術。さまざまな施設に設置されている一般的なカメラで撮影された動画で認証できる。認識精度は被写体とカメラとの距離や光の当たり方、被写体の顔の向き、視線などの影響を受ける。このため静止画での顔認証に比べて格段に高度な技術が求められる。

 今回はディープラーニング(深層学習)などの人工知能(AI)を駆使することで、悪環境の映像やカメラから遠い低解像度の顔映像にも対応した。

 さらに歩道や階段などで多人数が歩行し、顔の一部が隠れやすい状況でも顔の特徴的な部分を発見する技術を開発し最高評価に至った。

 この技術を活用することで、不審人物を素早く検知して犯罪を未然に防止したり、重要施設の出入りの際にカメラの前に立ち止まらずに自然に認証したりすることが可能となる。空港などの公共施設や、大規模な店舗、イベント会場など幅広い用途が見込まれている。

 顔認証を含むセキュリティー事業の16年度売上高は、420億円。18年度には3倍の売上高1420億円を目指す。NECの山品正勝執行役員は同日都内で会見し「迷子などをすぐに見つけ出したり、異なる複数の動画から不審な行動の人物を把握したりすることで、新しい価値を生み出せる」と強調した。

日刊工業新聞2017年3月17日

明 豊

明 豊
03月18日
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NECはAI研究で半世紀にわたる蓄積を持つ。中核となるアルゴリズムなどのAIエンジンは、海外の研究所などで磨きをかけてきたものだ。だが「技術ありきでは普及は難しい」との判断から、ソリューションビジネスに軸足を置いた。部門を横断したビッグデータ戦略本部を先導役に全社の力を結集し、データをいかに価値につなげるかに力を注いでいる。ソリューション群を支えるAIエンジンは顔認証に代表される世界ナンバーワンの技術と、物体指紋や異種混合学習などのオンリーワンの技術となりつつある。

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