五輪をテロから守れ!電機各社がセキュリティー製品に照準
高画質監視カメラや顔認証技術を訴求
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、電機メーカー各社が五輪向け商材の営業活動を本格化している。特に注目されるのが、セキュリティー関連製品だ。フランスの同時テロの発生を受け、安全対策の強化が急務になっている。競技会場や集客施設などで高度な対策が要求される中、各社は高画質の監視カメラや顔認証技術を訴求し受注を狙う。
「セキュリティー関連で数百億円の売り上げを想定する」。パナソニックの井戸正弘役員は25日に都内で会見し、東京五輪向け案件の受注獲得に自信を示した。
同社は国内の監視カメラ市場で6割のシェアを持つとされ、この分野で大きな商機を期待する。
16年度から受注活動を本格化する考えで、これに先立ち4月には24時間稼働の遠隔監視センターを設置。10月にはフルハイビジョン(FHD)の4倍の解像度を持つ高画質の「4K」対応カメラを投入した。画像補正や顔認証技術を含めて一貫したシステムで、テロ対策のニーズに応える。
一方、セキュリティー事業で国内有数の三菱電機は、簡易に設置できる無線型の監視カメラシステムを16年度に事業化する。有線LANを敷設する必要がなく、カメラを設置するだけで映像データを携帯端末に伝送し監視できる。広範な監視ネットワークが要求される五輪会場ではうってつけと言える。
このほか日立製作所は五輪向けに活用できるシステムとして、指静脈認証や監視カメラなどのソリューションを用意。監視カメラに強いソニーは今夏に4K対応カメラを投入した。「広い範囲を撮影し、それをズームしても鮮明な映像を確認できる」(同社)という。国内の監視カメラ市場は、17年に13年比3割増の約900億円に拡大すると予想される。
足元では世界的にテロの危険性が強まり、監視カメラや入退室管理へのニーズが一段と高まっている。東京五輪の開催に向けて交通機関や商業施設、ホテルなどでセキュリティー関連製品の需要増が確実視される。
五輪は自社製品の良さをアピールする場でもある。各社は五輪向けセキュリティー案件で実績を上げ、都心以外の地域など他の分野でも受注につなげる意向だ。
(文=敷田寛明)
「セキュリティー関連で数百億円の売り上げを想定する」。パナソニックの井戸正弘役員は25日に都内で会見し、東京五輪向け案件の受注獲得に自信を示した。
同社は国内の監視カメラ市場で6割のシェアを持つとされ、この分野で大きな商機を期待する。
16年度から受注活動を本格化する考えで、これに先立ち4月には24時間稼働の遠隔監視センターを設置。10月にはフルハイビジョン(FHD)の4倍の解像度を持つ高画質の「4K」対応カメラを投入した。画像補正や顔認証技術を含めて一貫したシステムで、テロ対策のニーズに応える。
一方、セキュリティー事業で国内有数の三菱電機は、簡易に設置できる無線型の監視カメラシステムを16年度に事業化する。有線LANを敷設する必要がなく、カメラを設置するだけで映像データを携帯端末に伝送し監視できる。広範な監視ネットワークが要求される五輪会場ではうってつけと言える。
このほか日立製作所は五輪向けに活用できるシステムとして、指静脈認証や監視カメラなどのソリューションを用意。監視カメラに強いソニーは今夏に4K対応カメラを投入した。「広い範囲を撮影し、それをズームしても鮮明な映像を確認できる」(同社)という。国内の監視カメラ市場は、17年に13年比3割増の約900億円に拡大すると予想される。
足元では世界的にテロの危険性が強まり、監視カメラや入退室管理へのニーズが一段と高まっている。東京五輪の開催に向けて交通機関や商業施設、ホテルなどでセキュリティー関連製品の需要増が確実視される。
五輪は自社製品の良さをアピールする場でもある。各社は五輪向けセキュリティー案件で実績を上げ、都心以外の地域など他の分野でも受注につなげる意向だ。
(文=敷田寛明)
日刊工業新聞2015年12月1日 電機・電子部品・情報・通信面