家庭で気軽に虫歯菌を検出できる家庭用キット
2018年度中にも実現
大阪ガス子会社のKRI(京都市下京区、田畑健社長、075・322・6830)と京都大学大学院の保川清教授は、唾液から虫歯の原因菌を短時間で簡易検出する方法を開発した。保川教授の核酸増殖法(リボ核酸〈RNA〉簡易検出法)を活用し実現した。2018年度中に家庭内でも手軽に検出できるようキット化を目指す。19年度をめどに歯科関連メーカー向けにも技術供与する。
RNA簡易検出法の活用で、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の有無の判断が30分―1時間で分かる。歯科の診察中に、検査結果を知りたいニーズに応える。従来は高額な装置を使用し、検出に2時間以上かかっていた。同検出法はC型肝炎ウイルスの検査薬などに使われ、KRIはミュータンス菌の検出に応用した。
同検出法では、ミュータンス菌のリボソームRNAを特定して検出する遺伝子を設計。デオキシリボ核酸(DNA)合成、RNA分解を繰り返し、標的RNAを増幅する。この間は一定(約41度C)の温度で反応が進むため、温度調整する装置が不要になる。温度調整にも時間がかからないため、短時間で検出する。
この増幅したRNAの検出にろ紙上で目視確認する核酸クロマト法を用いて、市販の妊娠検査薬のように気軽に虫歯菌の検出ができるようになる。
KRIと保川教授は虫歯原因菌以外でも皮膚常在菌、日本酒醸造における酸化や臭みの原因となる火落ち菌の検出などにも応用を広げ、各キットを順次開発する考えだ。
RNA簡易検出法の活用で、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の有無の判断が30分―1時間で分かる。歯科の診察中に、検査結果を知りたいニーズに応える。従来は高額な装置を使用し、検出に2時間以上かかっていた。同検出法はC型肝炎ウイルスの検査薬などに使われ、KRIはミュータンス菌の検出に応用した。
同検出法では、ミュータンス菌のリボソームRNAを特定して検出する遺伝子を設計。デオキシリボ核酸(DNA)合成、RNA分解を繰り返し、標的RNAを増幅する。この間は一定(約41度C)の温度で反応が進むため、温度調整する装置が不要になる。温度調整にも時間がかからないため、短時間で検出する。
この増幅したRNAの検出にろ紙上で目視確認する核酸クロマト法を用いて、市販の妊娠検査薬のように気軽に虫歯菌の検出ができるようになる。
KRIと保川教授は虫歯原因菌以外でも皮膚常在菌、日本酒醸造における酸化や臭みの原因となる火落ち菌の検出などにも応用を広げ、各キットを順次開発する考えだ。
日刊工業新聞2018年10月18日