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建設現場の休日数、4週4休以下が64%。“適正工期”の落としどころ

「日曜日は休日」定着に数十年。政府が指針策定へ
 政府は建設業の働き方改革を推進するため、建設工事における適正な工期設定に向けた指針をまとめる。長時間労働の是正や週休2日制の実施を念頭に、官民の発注者が工期設定で活用できる内容とする。働き方改革の実現には建設業の自助努力だけでは限界があり、発注者の理解が欠かせない。政府は月内に関係省庁連絡会議を開き、指針を取りまとめる方針だ。

 政府は7月28日、建設業のほか、工事の発注者となる電気、ガス、不動産、鉄道などの民間関係者を集めて建設業の働き方改革について議論。建設業が十分な担い手を確保するには、長時間労働の是正が必要なことで一致した。

 建設業は運輸業と並び、長時間労働が恒常化している。日本建設産業職員労働組合協議会が2015年に行ったアンケートによると、建設工事全体で休日数が4週4休(4週間で4日の休日)以下の工事が64%を占める。産業界で週休2日制が定着する中で、建設業の休みの少なさが目立つ。

 政府の働き方改革推進の方針を受け、日本建設業連合会(日建連)は時間外労働の上限時間の段階的引き下げの検討に入った。時間外労働の上限規制が適用される労働基準法改正法施行後5年までの間に、自主基準を設けて取り組む。

 まず9月に試行的に導入を始める。長時間労働の是正は容易ではない。日曜日に休日をとるのでさえ「定着に数十年かかった」(山内隆司日建連会長)。本腰を入れて取り組まなくては遅々として進まない。

 建設業の自助努力だけでは限界があるのも事実。重要なのは発注者の理解だ。国土交通省は災害復旧などを除き、週休2日を前提とした発注工事は17年度に約2000件を計画している。こうした取り組みを地方公共団体や、民間企業などに広げる必要がある。

 このため、政府は建設工事の適正な工期設定のため指針を示し、建設業の長時間労働の是正につなげる。週休2日を考慮した工期の設定では、請負代金に適正に反映させることを求める方針だ。施工時期の平準化に向けた取り組みも盛り込む。

日刊工業新聞2017年8月1日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
週休2日になると、その分工期が伸び、費用も増える。特に民間の発注者にとっては、工期がビジネスのタイミングと密接に絡み、すぐには受け入れがたい場合もあるだろう。しかし、発注者が建設業の週休2日制を受け入れないと、建設業がもたない。将来建設業の担い手が集まらなくなれば、建設業だけではなく、発注者も事業が立ちゆかなくなる可能性が出てくる。 (日刊工業新聞第二産業部・村山茂樹)

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