タカタ債権者が明らかに。金額トップは米国の415億円、トヨタは266億円

東京商工リサーチ調べ。リコール費用は基本的に計上されず

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初めて会見の場に登場した高田会長兼社長(26日)
 東京商工リサーチは27日、東京地裁へ26日に民事再生法を申請したタカタの債権者が判明したと発表した。債権額トップは米国の415億6932万円。次いでトヨタ自動車の266億2723万円、オランダにあるタカタ・インターナショナル・ファイナンスの125億6825万円だった。申立書には自動車メーカーが負担しているリコール費用は基本的に計上されていない。

 金融機関で債権額が最も多いのは、三井住友銀行の79億9493万円。以下、三菱東京UFJ銀行の61億5709万円、みずほ銀行の52億5081万円、三井住友信託銀行の45億5565万円、農林中央金庫の45億5196万円。

 このほか、滋賀銀行の15億5056万円、みちのく銀行の12億5060万円、明治安田生命保険の10億65万円が10億円超となった。
                   

銀行・自動車メーカーの対応は


三井住友銀「下請けの支援も考えないといけない」


 下請け企業の資金繰りが懸念される中、タカタの主力行である三井住友銀行の幹部は「下請けの支援も考えないといけない。サプライチェーンを守るよう対応していく」と話す。

 同行は26日、タカタの申し立てを受け「DIPファイナンス」を提供すると発表。総額250億円を上限とするコミットメントライン(融資枠)を設定する。

 DIPファイナンスは、民事再生法など法的整理手続きの申し立てから再生計画が認可される間に行われる融資のことで、手続き期間中の事業継続を安定にして、下請けサプライヤーなど取引先の資金繰りも支えられる。

 「タカタと同様に(資金繰りの)課題に直面している」。高田重久会長兼社長は同日の会見で下請けの資金繰りの窮状を話した。同行はタカタの取引先への円滑な支払いを通して、タカタ製品の安定供給を支える考え。法的整理手続きに伴う一時的な混乱回避を狙う。

トヨタ「まずはお客さまに迷惑を掛けないよう」


 トヨタ自動車は26日、タカタの民事再生法の申請に伴い、取り立ての不能や遅延のおそれが生じる債権などが5700億円に達すると発表した。トヨタ製の車両ですでにリコール(無料の回収・修理)の作業や届け出を実施したものを対象としている。

 これらのリコール費用は引き当て済みのため、業績への影響は軽微という。トヨタは顧客への安全・安心を最優先する対応のため、タカタから今後も安定的に部品供給を受けるように最大限努力するとしている。

 伊勢清貴専務役員は26日、都内で開いた新車の日本披露会で、タカタの民事再生法の適用申請について問われ「まずはお客さまに迷惑を掛けないということで対応を急ぐ」と強調した。今後の状況に対しては「なにかあったときにはしっかり公開する」と語った。

 さらに「今回の件はトヨタ自動車だけの問題ではなくて、世界のカーメーカーの問題でもあるので、情報をしっかり共有する」とも述べた。タカタのエアバッグが大規模リコール(無料の回収・修理)に発展した教訓として「我々カーエンジニアにとっての一つの大きな“警笛”となったのは事実だと思う」と続けた。

スバル「生産の影響は軽微」


 SUBARU(スバル)は26日、タカタが民事再生法の適用を申請したのを受け、2018年3月期以降に追加のリコール費用などを計上する必要があり今後費用等について精査すると発表した。

 またタカタへの求償権に関する回収可能性に不透感があることから、その影響についても精査していく。またタカタが事業を継続しながら再生手続きを進めるため、スバルの生産に与える影響は軽微とのコメントを出した。

 スバルは17年3月期までにタカタ製エアバッグインフレーターの品質問題関連費用で約735億円を計上している。

 

日刊工業新聞2017年6月27日/28日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

タカタの負債総額は国内外の子会社を含めて約3800億円。車メーカーが肩代わりしたリコール費用を含めると1兆7000億円となるが、車メーカーがかなりの部分を放棄せざるを得ない。最大の取引先であるホンダは26日に「当社の求償請求権の大部分は回収困難」とした上で、「引当金を計上済みのため、業績への影響は限定的」と発表。トヨタ、日産など各社も同様の発表を行っている。ある車メーカーは「タカタの問題は、車メーカーからすれば終わった問題。引当金を積み当て終わったことから、関心は薄い」と話す。

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