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つらい入院生活、あなたはどんな曲を口ずさみますか?

心を癒やすいろいろな療法
 今では、多くの病院でボランティア活動が当たり前になりましたが、信愛病院では40年以上前から行われています。はじめは、数人の主婦による入院患者さんの身の回りの環境整備だけでした。

 20年前に慢性期病院へのシフトを契機に、患者さんの入院生活にもうるおいが必要と考え、新たな試みとして音楽、動物訪問、アロママッサージ、女性へのお化粧などのボランティアを募りました。

 予想に反して、多くの人たちから問い合わせがあり、しかも交通費や弁当代がなくても無償でやりたい方が集まりました。近年、病院や施設でのボランティア活動が盛んになったため、最盛期よりは減りましたが、それでも動物訪問やアロマは定期的に続いています。

 さて、入院患者さんにとってホッとするのはどのような時でしょう。

 まずはなんといっても食事をとるとき、次は音楽を聴いたり歌ったりするとき、趣味に没頭するとき、気の合った人と話をするときなどでしょうか。

 そして、治療や介護ではうれしそうな表情が見られないのに、訪問してくる犬や猫やウサギなどに触れるときは満面の笑みになることもあります。

 くやしいけれども生きている動物にはかないません。別れのとき動物たちに「また来てね」と笑顔で声をかける患者さんをみると、私たちの心も和みます。

 週末の土曜ミニコンサートでは、スタジオ風の外来待合室に寄付されたグランドピアノを置き、アマチュア、セミプロ、プロなどの演奏を行います。

 このボランティアの予約が1年以上先という、ありがたくもうれしい悲鳴をあげております。ボランティアだけに頼るのは心苦しいと思い、職員だけの演奏グループ、ギター隊・オカリナ隊・ハワイアン隊・タンゴ隊・パーカッション隊などを結成して、年に1度ではありますが患者さんに披露しています。

 名付けて「ふるさと音楽隊」です。歌の中で患者さんが最も喜んで口ずさむ曲は「ふるさと」です。おそらく、それぞれの胸の中でそれぞれのふるさとを思うからでしょう。

 時には涙しながら聴いている患者さんもおります。大震災の時も、この曲はたくさんの人に歌われていたので、心を癒やす代表的な曲なのですね。

 こうしたボランティア活動の中から、専門家による音楽療法や動物介在療法に進化したものが当院の一つの特徴になりました。

 20年、30年後、あなたはどんな曲を口ずさんでいるのでしょう。
(文=桑名斉・信愛病院理事長) 
日刊工業新聞2017年6月9日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
うちの祖母さんはよく「星影のワルツ」を口ずさんでいました。自分は多分、今も青春時代を過ごした80年代の音楽が流れてくると、胸が熱くなったり、キュンとする。気持ちを高まめるなら松田聖子の「チェリーブラッサム」です。

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