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若者は酒離れなんてしていない?調査結果から読み取れること

「仲間と酒を酌み交わす」という機会は失くさないで
 日本酒造組合中央会は全国の20―79歳の3000人を対象にした、日本人の飲酒動向調査をまとめた。同調査は1988年以来、約30年ぶりという。直近で飲んだ酒の1位は「ビール」で61・2%だった。

 一般に酒離れが言われる20代については、ビール以外の酒を飲む量や新しい酒へ挑戦する意欲が他の世代より高いことが分かった。同中央会は「酒離れの指摘は当たらない」と分析している。

 調査結果によると若年層は高齢者層に比べ、飲食店などで飲む傾向が強かった。若年層は月平均5・5回。これに対し60代は3・1回だった。

 直近で飲んだ酒の2位は日本酒で35・5%、3位はワインで32・5%だった。酒を飲む女性の割合は前回の52・6%から、72・9%に上昇。日本酒は全体では飲まれた酒の2位につけているものの、飲んでいるのは圧倒的に50代、60代の高齢者層。20代は26・6%で、ハイボールの39・5%、カクテルの33・5%より低かった。

日刊工業新聞2017年6月6日
櫻井八重
櫻井八重 Sakurai Yae
 最近の若者のビール離れに寂しい思いを抱いていた私にとって、この記事は朗報!?と思いきや…むしろ、同調査の中で、『お酒を飲めない、もしくは飲まないとしている人が約6割(30年前の調査では約5割)に上っている』という結果は、日本人のビールだけでなく、お酒(アルコール)離れの進行を裏付けているではないか。  2004年に2.1兆円あった国の酒税の収入は2013年には1.3兆円にまで減少しており、消費量の減少率からも酒離れは明らかだ。特に『お酒を飲めるが飲まない』としている人の割合は約2倍に跳ね上がっている。お酒論議に関しては、飲めない・飲まない方からすれば全く無意味なものだと思うが、体質的にお酒を飲めない方は別として、「仲間と酒を酌み交わす」といった有意義な機会や習慣を是非失くさないでほしいと思わずにはいられない。

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