日立の冠なき「Maxell」はどこに向かう?
勝田社長に聞く「新たな分野として医療・ヘルスケアなどが有望だ」
日立マクセルは、3月に日立製作所の持ち分法適用会社から外れ、10月1日から社名を「マクセルホールディングス」に改める。持ち株会社制を導入するほか、次の時代をにらんだ事業の柱を構築するための構造改革を実施し、新たな“マクセルブランド”を構築する。独自性を強めつつ、さらなる成長に向けた取り組みを勝田善春社長に聞いた。
―構造改革の進捗(しんちょく)は。
「2016年度の売上高は15年度比で14%減と減少する一方で営業利益は同4%増となった。磁気テープなどの不採算事業やスマートフォン向けリチウムイオン電池を縮小することで利益率が向上した。低収益だった音響・映像アクセサリーなども17年度には黒字になる見込みだ。すでに収益性の高い経営モデルを確立しつつある」
―さらなる成長に向けての取り組みは。
「引き続き利益を追うつもりだが今後は売り上げ規模の拡大も必要だ。新たな事業の柱を確立するために、異業種との提携やM&A(合併・買収)などを積極化する。また、マクセルブランドの構築に向け、独自性の高い事業などを打ち出す。具体的には10月に控える持ち株会社制の導入に向け、経営陣で議論している段階だが、新たな分野として医療・ヘルスケアなどが有望だ」
―ルネサスエレクトロニクスから買収した産業用電子基板の受託開発・製造事業と画像認識システム事業のシナジーは。
「両事業ともに、光学部品や二次電池など現在の製品群をより深化させていくことになる。例えば、発光ダイオード(LED)ヘッドランプ用レンズなどはLEDの積載効率や冷却機能など制御面を勘案したモノづくりができる。また、現在は二次電池のコントローラーは外注しているが、今後は内製化できる。より特徴的な製品になるだろう。18年度以降に製品へ反映される」
―リチウムイオン電池の市場をどう分析していますか。
「海外売上高の成長率が軒並み前年割れした。これは中国や韓国スマホメーカー向けでリチウムイオン電池の供給を減らした影響が大きい。ただ、これは意図的なもので、コモディティー化(汎用品)を見越した取り組みだ。現在も取引はあるものの、こちらからの営業は抑えている」
「一方で、家庭用ゲーム機や飛行ロボット(ドローン)向けの需要が伸びている。いずれも国内メーカーの引き合いが多く、安全性や信頼性など当社の強みを生かせる」
―構造改革の進捗(しんちょく)は。
「2016年度の売上高は15年度比で14%減と減少する一方で営業利益は同4%増となった。磁気テープなどの不採算事業やスマートフォン向けリチウムイオン電池を縮小することで利益率が向上した。低収益だった音響・映像アクセサリーなども17年度には黒字になる見込みだ。すでに収益性の高い経営モデルを確立しつつある」
―さらなる成長に向けての取り組みは。
「引き続き利益を追うつもりだが今後は売り上げ規模の拡大も必要だ。新たな事業の柱を確立するために、異業種との提携やM&A(合併・買収)などを積極化する。また、マクセルブランドの構築に向け、独自性の高い事業などを打ち出す。具体的には10月に控える持ち株会社制の導入に向け、経営陣で議論している段階だが、新たな分野として医療・ヘルスケアなどが有望だ」
―ルネサスエレクトロニクスから買収した産業用電子基板の受託開発・製造事業と画像認識システム事業のシナジーは。
「両事業ともに、光学部品や二次電池など現在の製品群をより深化させていくことになる。例えば、発光ダイオード(LED)ヘッドランプ用レンズなどはLEDの積載効率や冷却機能など制御面を勘案したモノづくりができる。また、現在は二次電池のコントローラーは外注しているが、今後は内製化できる。より特徴的な製品になるだろう。18年度以降に製品へ反映される」
―リチウムイオン電池の市場をどう分析していますか。
「海外売上高の成長率が軒並み前年割れした。これは中国や韓国スマホメーカー向けでリチウムイオン電池の供給を減らした影響が大きい。ただ、これは意図的なもので、コモディティー化(汎用品)を見越した取り組みだ。現在も取引はあるものの、こちらからの営業は抑えている」
「一方で、家庭用ゲーム機や飛行ロボット(ドローン)向けの需要が伸びている。いずれも国内メーカーの引き合いが多く、安全性や信頼性など当社の強みを生かせる」
日刊工業新聞2017年5月25日