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目に見えて改善し始めたホンダの「経営力と管理力」

今期の業績は実質増益予想のメッセージになる!
目に見えて改善し始めたホンダの「経営力と管理力」

ホンダの八郷社長

 ホンダの2018年3月期連結業績予想(IFRS)は、営業利益が前期比16・1%減の7050億円になる見通しだ。前期に比べて円高が進むことで減益となる。コスト削減効果が出るものの、円高や年金会計処理の影響が利益を押し下げる。

 減益要因の内、為替の影響は950億円。想定為替レートは1ドル105円(前期実績は108円)に設定した。主に対米ドルで380億円、対アジア通貨で130億円の減益となる。

 世界販売台数予想は4輪車が同1・0%増の508万台、2輪車が同6・3%増の1877万台。4輪車はアジアが同4・9%増の206万台に伸びる一方、北米は同2・5%減の192万台と減少する。

 倉石誠司副社長は今後のリスク材料として、「材料費の変動や各国の規制など今後の環境変化」を挙げた。

 17年3月期連結業績は減収、全利益段階で増益となった。売上高は為替換算の影響などで減少。営業利益はコスト削減効果のほか、タカタ製エアバッグのリコール(無料の回収・修理)関連費用が大幅に減ったことが寄与した。4輪車の販売台数は502万8000台と過去最高を更新した。
             
日刊工業新聞2017年5月1日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
 ちなみに為替前提はドル=105円で、これを全ての通貨をドル=110円に引きなおせば、概ね1,000億円の増益要因が生じる。すなわち、7,050億円の営業利益計画はドル=110円前提であれば8,000億円となり、17/3期に含まれた840億円の年金一時利益を除く実質ベースでは、増益のガイダンスだ。台当り粗利の改善が出遅れた四輪車事業の収益性改善につながり始めている。  2年前の社長交代、1年前の副社長交代を経て、ホンダの経営力、管理力が目に見えて改善を示してきている。ホンダの経営戦略を正しく理解するためにも、始まったばかりの新中期経営計画やもっと先の2030年ビジョンの具体的戦略を早く世に説明すべきだろう。

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