マイクロソフト「ホロレンズ」は建設業界に浸透するか
小柳建設と業務効率化を支援するITサービスを開発
日本の建設業界では情報通信技術(ICT)の導入が進まないと言われる中、日本マイクロソフト(MS)と小柳建設(新潟県三条市)がICT化に挑戦している。両社は米MSのゴーグル型端末「ホロレンズ」を活用し、建設業界の業務効率化を支援するITサービスを開発した。同端末は現実と3次元(3D)仮想物体を組み合わせたシミュレーション画像を体感できる。この技術を駆使することで、人材不足など業界が抱える課題の解決を目指す。
建設業界では震災の復旧支援や、2020年の東京五輪・パラリンピックなどで需要が高まっている。ただ少子高齢化による人口減少や労働環境が過酷というイメージから、人材確保が困難な状態になっている。
さらに建物の免震工事に関わる偽装問題などで、業界自体の信頼が損なわれるような事態が発生しており、抜本的な構造改革が求められている。
日本MSと小柳建設は、こうした課題を解決するため、今回の取り組みに踏み切った。ICT化については、米MSのホロレンズを採用する。
ホロレンズは実際の映像と、コンピューターグラフィックス(CG)などの画像データを融合するMR(複合現実感)専用端末。日本では1月から法人や開発者向けに提供しており、日本航空(JAL)などへの導入実績がある。
小柳建設の小柳卓蔵社長は「課題解決に加え、業界自体にイノベーションを起こし『尊敬される業界』を目指す」と意気込む。
一方、日本MSの平野拓也社長は「建設業界だけでなく、医療などICT化が遅れている分野への支援を強力に進めていきたい」と説明。今回の取り組みをきっかけに、自社ビジネスの広がりに期待を込める。
具体的には、両社は三つの観点で開発を進めている。一つは事業や業務の透明性を確保するため、さまざまな情報をデジタル化する。計画、工事、検査、アフターメンテナンスといったすべての業務の履歴を確認できる仕組みを構築する。
二つはBIM/CIM(建築・土木工事プロセスのシミュレーション技術)データを活用し、設計図を3Dで可視化する。3Dの設計図と、検査に必要なデータや文書を組み合わせ、必要な時に迅速に表示できるようにする。これにより検査員の業務の負担軽減に寄与できるという。
三つは3D映像を活用し、図面や現場の視界を共有する機能、建設用重機や作業員の配置を計画段階からシミュレーションする機能などを開発する。これにより現場の作業者と遠隔地にいる管理者との迅速なコミュニケーションを実現する。
(文=松沢紗枝)
建設業界では震災の復旧支援や、2020年の東京五輪・パラリンピックなどで需要が高まっている。ただ少子高齢化による人口減少や労働環境が過酷というイメージから、人材確保が困難な状態になっている。
さらに建物の免震工事に関わる偽装問題などで、業界自体の信頼が損なわれるような事態が発生しており、抜本的な構造改革が求められている。
日本MSと小柳建設は、こうした課題を解決するため、今回の取り組みに踏み切った。ICT化については、米MSのホロレンズを採用する。
ホロレンズは実際の映像と、コンピューターグラフィックス(CG)などの画像データを融合するMR(複合現実感)専用端末。日本では1月から法人や開発者向けに提供しており、日本航空(JAL)などへの導入実績がある。
小柳建設の小柳卓蔵社長は「課題解決に加え、業界自体にイノベーションを起こし『尊敬される業界』を目指す」と意気込む。
一方、日本MSの平野拓也社長は「建設業界だけでなく、医療などICT化が遅れている分野への支援を強力に進めていきたい」と説明。今回の取り組みをきっかけに、自社ビジネスの広がりに期待を込める。
具体的には、両社は三つの観点で開発を進めている。一つは事業や業務の透明性を確保するため、さまざまな情報をデジタル化する。計画、工事、検査、アフターメンテナンスといったすべての業務の履歴を確認できる仕組みを構築する。
二つはBIM/CIM(建築・土木工事プロセスのシミュレーション技術)データを活用し、設計図を3Dで可視化する。3Dの設計図と、検査に必要なデータや文書を組み合わせ、必要な時に迅速に表示できるようにする。これにより検査員の業務の負担軽減に寄与できるという。
三つは3D映像を活用し、図面や現場の視界を共有する機能、建設用重機や作業員の配置を計画段階からシミュレーションする機能などを開発する。これにより現場の作業者と遠隔地にいる管理者との迅速なコミュニケーションを実現する。
(文=松沢紗枝)
日刊工業新聞2017年4月26日