スバル車に乗り換えた人はアフターサービスに満足している?

富士重、「スバリスト」以外の顧客の目にも向き合う

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全国から選抜された販売店の社員が接客力や整備技術を大会で競った
 昨年11月、スバル総合研修センター(東京都八王子市)では車のアフターサービスの技能を競う大会が開かれていた。販売店の幹部や社員に交じり戦いぶりを熱心に見ていたのは富士重工業社長、吉永泰之だった。予定では開会あいさつ終了後に退席するはずだったが観戦は試合終了間際まで続いた。

 「車を買っていただいた後の(顧客)対応が最も大切」。吉永がこう強調するのは近年ブランドイメージが向上しいわゆるスバル車の熱狂的ファンである「スバリスト」以外にも顧客層が広がったからだ。

 トヨタ自動車、ホンダ、米フォード―。従来はほとんど関心がなく他銘柄に乗っていた人がスバル車の商品力を認め乗り換える事例が増えている。

 北米営業担当の執行役員、早田文昭は「昔ながらのサービスのやり方を続けていたら他銘柄を知る目の肥えた顧客は納得しない。

 レベルを上げないと成長は止まってしまう」と指摘し、拡大局面が続く北米事業の課題に挙げる。早田は米販売会社のスバルオブアメリカと連携して全米ディーラーの店舗刷新や教育サポートを重点的に進めてきた。

 日本でも同様の取り組みが進む。サービス向上を目指し新たな教育制度を導入するとともに、全国に460ある販売店の改装に着手し主力車種を展示するショールームや顧客との商談スペースを拡張した。

 店舗によっては建て替える。販売店の中にはかつて富士重の軽自動車販売が全盛期だったころのままになっている古い店舗があり現在の主力車「インプレッサ」や「レヴォーグ」「フォレスター」などを並べるには窮屈だった。

 「そろそろスバル車がブレークし始めた頃に車を購入した方の乗り換え時期がやってくる」。早田はハードとソフトの両面でサービスの質を高める戦略づくりに余念がない。

 商品力に加えサービスでも顧客の心をつかみ、リピーター獲得につなげていけるのか。富士重の本当の戦いはこれから始まる。
(敬称略)

日刊工業新聞2017年3月24日

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

第5世代目のインプレッサ。安全性と走行性能の進化を支持する声は多く、他銘柄から乗り換えた新規ユーザーが全受注の半数を超えたという。文中にあるように「スバリスト」以外のファン層拡大でアフターサービスの教育は欠かせない。社名変更は、社外だけでなく社内へのマインドチェンジという大きなメッセージにもなっている。

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