衣料品大手、商品絞り込みで“陳列革命”
購買意思を決定づける模索
幅広い品ぞろえを売り物に集客してきた、衣料品大手が店頭に並べる商品点数の見直しを始めた。売れ残り消化のためのセールが増え、利益を圧迫している。
国内衣料品市場はファーストリテイリングのように定番商品に絞り大量販売するSPA(製造直販型小売業)と、利便性が高いインターネット通販に集中し、他の業種は苦戦が続いている。
1990年に約15兆円あった衣料品市場は9兆円程度まで減少し、値ごろ感の高いSPAとネット通販に人気が集中傾向にある。
セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズは2017年春夏商品を前年比で最大で3割減らす、しまむらも3割程度削減する。
無印良品を運営する良品計画は衣料品の品ぞろえを今春から大幅に見直す。婦人服を中心に品目数を1割減らしながら、サイズ展開を拡大。
100円ショップ最大手のダイソーを展開する大創産業は商品を大量に陳列するのでなく、通路を広くして商品を選びやすい店に改装する策に出る。
キャンドゥでは20―30代の女性を取り込むために、陳列棚を低くして、入り口近くに女性向け商品を並べる。
買い物客の足を引きとめ、商品に興味・関心を持たせ、最終的な購買意思を決定づけるのは、陳列の方法によるところが大きく、商品の並べ方ひとつが同じ商品の売り上げを変えてしまうことさえある。
ほとんど客は来店後に購入商品を決めるといわれている。はじめは買うつもりがなくても、商品を買い物客の目にとまりやすい場所に陳列し、つい欲しくなるような演出を施しておけば、購入する可能性が高まる。
陳列方法を大別すると“量感陳列”と“展示陳列”がある。量感陳列とは、商品をまとめて陳列することで、活気とボリューム感、安さを演出する陳列方法。
展示陳列とは、ステージやコーナーなどに商品の魅力を強調したり、特定の商品を目立たせる陳列方法。季節や素材、ブランド、カラーなど何らかのテーマを設定した上で、なにをどのように見せるかというストリーを絞り、効果的にディスプレイするやり方。
買い物客にとっては比較しやすく、選びやすい陳列は大量陳列より絞り込まれた品ぞろえの店舗なのである。
(文=上野延城・日本経営士会)
国内衣料品市場はファーストリテイリングのように定番商品に絞り大量販売するSPA(製造直販型小売業)と、利便性が高いインターネット通販に集中し、他の業種は苦戦が続いている。
1990年に約15兆円あった衣料品市場は9兆円程度まで減少し、値ごろ感の高いSPAとネット通販に人気が集中傾向にある。
セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズは2017年春夏商品を前年比で最大で3割減らす、しまむらも3割程度削減する。
無印良品を運営する良品計画は衣料品の品ぞろえを今春から大幅に見直す。婦人服を中心に品目数を1割減らしながら、サイズ展開を拡大。
100円ショップ最大手のダイソーを展開する大創産業は商品を大量に陳列するのでなく、通路を広くして商品を選びやすい店に改装する策に出る。
キャンドゥでは20―30代の女性を取り込むために、陳列棚を低くして、入り口近くに女性向け商品を並べる。
買い物客の足を引きとめ、商品に興味・関心を持たせ、最終的な購買意思を決定づけるのは、陳列の方法によるところが大きく、商品の並べ方ひとつが同じ商品の売り上げを変えてしまうことさえある。
ほとんど客は来店後に購入商品を決めるといわれている。はじめは買うつもりがなくても、商品を買い物客の目にとまりやすい場所に陳列し、つい欲しくなるような演出を施しておけば、購入する可能性が高まる。
陳列方法を大別すると“量感陳列”と“展示陳列”がある。量感陳列とは、商品をまとめて陳列することで、活気とボリューム感、安さを演出する陳列方法。
展示陳列とは、ステージやコーナーなどに商品の魅力を強調したり、特定の商品を目立たせる陳列方法。季節や素材、ブランド、カラーなど何らかのテーマを設定した上で、なにをどのように見せるかというストリーを絞り、効果的にディスプレイするやり方。
買い物客にとっては比較しやすく、選びやすい陳列は大量陳列より絞り込まれた品ぞろえの店舗なのである。
(文=上野延城・日本経営士会)
日刊工業新聞2017年3月9日