ジャック・ウェルチに進言、GE副会長が若き日にとったリスクとは
現代のキャリアパスはそれほど単純ではない
リスクの大きさを把握できるか否かにかかわらず、時には思い切った行動を取ることも必要です。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の副会長を務めるジョン・G・ライス氏にも、自身のキャリアを切り開くきっかけになった、リスクを伴う行動があった。今回は、ライス氏が20代の頃に考えていた「リスクとの向き合い方」について、ライス氏のLinkedInへの投稿の1ピースを紹介する。
ジョン・G・ライスGE副会長 GE Global Growth Organization 社長兼CEO
私がGEに入社した頃は、非常に明確なキャリアパスというものがありました。「これ」をやったら次は「あれ」・・・という具合に、分かりやすいものだったのです。
現代のキャリアパスというのはそれほど単純ではなくなり、そのことに不安を覚える人もいれば、やりがいを感じる人もいるでしょう。私自身はこの不確実性を楽しんでいます。リスクとうまく付き合い、適応することさえ覚えてしまえば、不確実だからこそ素晴らしい機会を手にできる、と前向きに捉えられます。
話は1984年にさかのぼります。私はあるカンファレンスに参加し、ランチの席で当時GEの会長を務めていたジャック・ウェルチと隣り合わせになりました。
彼はその席でクロス・ファンクショナルな(部門の壁を越えた)働き方について話していましたが、私は大胆にも「ジャック、現場はあなたが思っているようには進んでいませんよ」と意見しました。
そして、その当時財務部門の監査担当だった私は、ぜひ製造部門で働きたいと彼に訴えたのです。翌朝出勤すると、製造部門のバイス・プレジデントであったディック・バークから、「やあ。うちの部門で働くことになったようだね」と電話が来ました。
これは明らかにリスクを伴う行動でした。現実は会長が考えているとおりには進んでいない、と面と向かって大胆に否定したことだけではありません。
財務部門の同僚たちはみな、私は頭がおかしくなったのだと思っていました。監査チームのトップは、4年間で初めて彼のオフィスに私を招き入れました。
監査チームのメンバーにはさまざまな事業部門のCFO(最高財務責任者)になるキャリアの道が開かれている、と説明し異動をとりやめるよう私に勧めました。興味深い内容でしたが、私は挑戦を求めていました。
当時の私は独身で、自分さえ食べられれば問題なかったので、財務部の同僚たちに次のように伝えました。「皆さんの言うことが正しいのかもしれません。でももし失敗するなら26歳という私の年齢はちょうどいいんです。若いうちなら大きなリスクも取りやすいですよね」と。
キャリアを伸ばしていくためには、年齢に関係なく、多少なりともリスクを取らないわけにはいきません。もちろん中には、より確立された快適なキャリアパスで成功を収める人もいるでしょう。
しかし、それでは自分が思い描いたような刺激的でインパクトある職務に就けないこともあるかもしれませんし、ある人には、それが幸い最終的に自分にぴったりのキャリアになる、という可能性もあります。
しかし、CEOになりたいとか、リーダー的役割を果たしたいという思いがある人なら、ある程度は個人的なリスクを取る覚悟を決め、居心地のよい環境を脱して挑戦していく必要があるでしょう。
結局のところ、他の人には疑問に思えるロジックであったとしても「自分自身のゴールを定め、正しいキャリアパスを描く」ということは、自分にしかできないことなのです。
※この記事はジョン・G・ライスがLinkedInに投稿したものをベースにしており、ここでの見解は、ジョン・G・ライス個人によるものです。
ジョン・G・ライスGE副会長 GE Global Growth Organization 社長兼CEO
私がGEに入社した頃は、非常に明確なキャリアパスというものがありました。「これ」をやったら次は「あれ」・・・という具合に、分かりやすいものだったのです。
現代のキャリアパスというのはそれほど単純ではなくなり、そのことに不安を覚える人もいれば、やりがいを感じる人もいるでしょう。私自身はこの不確実性を楽しんでいます。リスクとうまく付き合い、適応することさえ覚えてしまえば、不確実だからこそ素晴らしい機会を手にできる、と前向きに捉えられます。
話は1984年にさかのぼります。私はあるカンファレンスに参加し、ランチの席で当時GEの会長を務めていたジャック・ウェルチと隣り合わせになりました。
彼はその席でクロス・ファンクショナルな(部門の壁を越えた)働き方について話していましたが、私は大胆にも「ジャック、現場はあなたが思っているようには進んでいませんよ」と意見しました。
そして、その当時財務部門の監査担当だった私は、ぜひ製造部門で働きたいと彼に訴えたのです。翌朝出勤すると、製造部門のバイス・プレジデントであったディック・バークから、「やあ。うちの部門で働くことになったようだね」と電話が来ました。
これは明らかにリスクを伴う行動でした。現実は会長が考えているとおりには進んでいない、と面と向かって大胆に否定したことだけではありません。
財務部門の同僚たちはみな、私は頭がおかしくなったのだと思っていました。監査チームのトップは、4年間で初めて彼のオフィスに私を招き入れました。
監査チームのメンバーにはさまざまな事業部門のCFO(最高財務責任者)になるキャリアの道が開かれている、と説明し異動をとりやめるよう私に勧めました。興味深い内容でしたが、私は挑戦を求めていました。
もし失敗するなら26歳という私の年齢はちょうどいい
当時の私は独身で、自分さえ食べられれば問題なかったので、財務部の同僚たちに次のように伝えました。「皆さんの言うことが正しいのかもしれません。でももし失敗するなら26歳という私の年齢はちょうどいいんです。若いうちなら大きなリスクも取りやすいですよね」と。
キャリアを伸ばしていくためには、年齢に関係なく、多少なりともリスクを取らないわけにはいきません。もちろん中には、より確立された快適なキャリアパスで成功を収める人もいるでしょう。
しかし、それでは自分が思い描いたような刺激的でインパクトある職務に就けないこともあるかもしれませんし、ある人には、それが幸い最終的に自分にぴったりのキャリアになる、という可能性もあります。
しかし、CEOになりたいとか、リーダー的役割を果たしたいという思いがある人なら、ある程度は個人的なリスクを取る覚悟を決め、居心地のよい環境を脱して挑戦していく必要があるでしょう。
結局のところ、他の人には疑問に思えるロジックであったとしても「自分自身のゴールを定め、正しいキャリアパスを描く」ということは、自分にしかできないことなのです。
※この記事はジョン・G・ライスがLinkedInに投稿したものをベースにしており、ここでの見解は、ジョン・G・ライス個人によるものです。