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ビジネスとしてのスケールが期待される、大学発IoT研究チームが一同に集結!

Brighten up Ventures 2017 ~社会を変える9つのIoT ~

 JSTは平成27年度から「研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START)」を推進している(※)。本展示会はその一環の「技術シーズ選抜育成プロジェクト」の成果発表の場となっており、昨年の「ロボティクス」分野に続く2回目の取組みである。(※平成24年度は文部科学省の大学発新産業創出拠点プロジェクト、平成27年度よりJSTに移管)
同事業のプログラムオフィサーを務める国際電気通信基礎技術研究所知能ロボティクス研究所ネットワークロボット研究室長の宮下敬宏氏、JST産学連携展開部 START事業グループの船木文子氏に話を伺った。

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―今回の募集分野は「IoT」となっています。
船木 前回「ロボティクス」で募集した時は、「ロボット」というプロダクトを作り展示する、という側面が強くなっていました。今回はプロダクトそのものだけでなく、ネットワークにつなぎデータを収集、分析し活用するといったようなサービスや事業全体に拡げる目的で「IoT」としました。

宮下 現在ロボットもネットワークにつながらないものはほとんどないですよね。ロボットもIoTに含まれるということで、昨年のテーマから範囲を広げたという形に近いです。ただIoTのシーズはサービス分野まで考えられていることもあり、よりビジネスにつながり、事業展開やすいのではと考えています。

―大学でのIoT分野研究をとりまく状況を教えてください。
宮下 デバイス、データ収集、データ分析などそれぞれの分野の研究やビジネスが個別に進んでおり、全体を研究する「IoTサイエンティスト」のような人がいない。それぞれの分野の研究者がチームを組んで研究を進めるのがよいと思いますが、そういった動きはまだ少ないのが現状です。
またビジネスの側面では大いに注目されていますが、論文を書くような技術的に深い研究にはなりにくいという特徴があります。ですが我々は「論文が書ける研究」だけではなく、「(ビジネスなどの観点から)社会を変える」研究も大切だと思っています。「社会を明るくしてくれるベンチャー」を応援するというテーマでこの事業を行っています。

船木文子氏


―第一回目の開催後、採択されたチームに展開はありましたか。
船木 昨年の課題のほとんどが、民間企業との共同開発などの活動を活発に進めています。また、2件が、本事業より配分資金が大きなSTARTプロジェクト支援型に採択されました。どのチームも研究や起業の準備を進めているという状況です。
―今回の事業より改善された点はありますか。
船木 開発開始期間を取るため、公募から採択までのスケジュールを早めました。
また、採択が決定した段階で、9月にキックオフミーティングを行いました。前年度採択チームのメンバーも出席しアドバイスをするとともに、チーム同士が交流しました。ここでのつながりがきっかけで、研究を進める中での問題点を他のチームに助けてもらった、ということもありました。
宮下 本事業で終わるのではなく、しっかりと次のステップに進むことを意識するよう呼びかけました。また初めてプロジェクトマネジメントに取り組むメンバーが多いので、心得を伝えました。「締切は絶対守れ」とか、「大局観を持って進捗管理をする」といったことも大切ですね。また「健康管理もしっかりするように」という話も。去年は展示会直前に全員がインフルエンザにかかったチームがあって大変だったんです。

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―採択チームそれぞれにメンターがついてアドバイスやネットワークづくりの支援をする、というのも大きな特徴です。
宮下 偉大なメンターの方々がそろっているので学生が緊張し萎縮してしまう面も見受けられたのですが、もっと密にコミュニケーションを取るように呼びかけました。
昨年の例を見ても、メンターとの接点が多かったチームが次のステップにぐいぐい進むという特徴があるので。メンターとつながると、学生のレベルではないコネクションができ、アドバイスがもらえるんですよね。それによってモチベーションも上がります。

―応募の傾向は。
宮下 ロボット系の応募も多かったのですが、いわゆるロボットそのものに「動き」のあるものではなく、例えば何かにくっつけて動いたり、センサに反応して動いたりといったものが目立ちました。また計測デバイスも割と多かったです。
採択されたものに関しては、「スケールするかしないかに関わらず『すごく面白い!』と思ったものを採択する枠」と「ビジネスとしてスケールが見込める枠」の二軸で選びました。どのチームがどの枠かは、展示会で確かめに来てください。
船木 この事業は、メンターの先生の目に留まるような、いわゆる「とがった」課題かどうかを見ております。ポテンシャルを評価する点が特徴ですので、学生や若手の研究者にとって大きなチャンスだと思います。

宮下敬宏氏


―展示会ではどのようなものが出展されるのでしょうか。
船木 計測系の研究テーマのブースでは来場者の方に実際に体験いただけるものも多いと思います。歩き方を測定してくれるものや、ベルトにセンサが組み込まれていて腹囲を測定するものなどもあります。また今回は、理科系の研究機関だけではなく、東京芸大のチームが開発したフイルム映像をデジタル化する装置なども出展されます。
宮下 ビジネスピッチコンテストでは事業構想だけを説明するものも結構ありますが、プロトタイプを必ず作るというのが本事業の大きな特徴です。今回はサービスまで作り込む、というチームが多いので、すでに試作品を作り終えてマーケティングを行っているチームもあります。
船木 民間企業の研究部門の方だけでなく、マーケティング部門の方にも興味を持っていただける内容になると思います。秋葉原での開催ということもあり、一般の方も来場いただければ嬉しいですね。

展示会の詳細はこちら
https://www.jst.go.jp/start/event/bv2017.html
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