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日本の暮らしに沿った洗濯機は何なのか?

パナソニックはインドでカレーの染み。海外ニーズ品は増えてきているが・・
 パナソニックは注力市場のインドで、衣類に付着したカレー料理のシミを落とせる洗浄力の高い縦型洗濯機を開発し発売した。カレーやインド独特のヘアオイルなど、同国特有の衣類汚れを落とすプログラム「ステインマスター」を現地主導で開発し搭載した。同国で洗濯機市場を占有する韓国勢に対抗する。

 新製品の投入により、2018年度にインドでの洗濯機販売台数を16年度見込み比50%増の年33万台に高める。これにより同国での洗濯機事業の18年度売上高を同65%増の48億ルピー(約80億円)に引き上げる。

 新製品は14機種。価格は2万190ルピー(約3万4000円)から2万8490ルピー(約4万8000円)。従来品より約1割高いが、インドの洗濯機普及率は約10%で、拡大が期待できる。同社市場シェアは約3%で、韓国系2社に対して劣勢だが「直近の事業成長率は競合他社より高い」(パナソニックインド)と大きな伸びを見込む。

 新製品は現地の工場や販売会社のスタッフらと約2年間、現地の生活を研究し、不満や要望からニーズを探った。北部や南部など各地で異なるカレーのシミに対応したカレーコースを含む新プログラムは、上位7機種に搭載した。

 最適な水流、こすり洗い、温度、浸し時間でシミを除去する。普段使いの標準コースも独自の泡洗浄方式を採用したほか、水流の工夫で洗浄力を強化した。洗濯物が取り出しやすい筐(きょう)体形状と、扱いやすい操作パネルで利便性も高めた。

 一方、同国では洗濯機以外の家電事業も注力しており、このほど空気清浄機能付きエアコンの新製品も投入した。新製品効果などで同国でのエアコン販売台数は18年度に16年度見込み比11%増の年40万台、売上高は約30%増の133億ルピー(約223億円)を狙う。
日刊工業新聞2017年1月26日
土田智憲
土田智憲 Tsuchida Tomonori かねひろ
以前テレビで、日本の家電メーカーの東南アジア向け洗濯機を特集していたのを観たことがある。そこで紹介されていた最新の洗濯機は、天板のところに手洗い用の洗濯板が付いていた。番組中ではとくに、その理由は紹介されなかったのだが、あれは現地の方の習慣性や、水が貴重な地域において節約になるのかななど、考えながら観ていた。日本の暮らしに沿った洗濯機で、この機能にあたるものはなんだろう。

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