日産ゴーン社長、自動運転は「馬車が車に置き換わったのと同じスケール」
連載「モビリティーの未来」(上)
日産自動車のカルロス・ゴーン社長に、CES会場で戦略を聞いた。
―自動運転の開発の方向性は。
「4段階で技術の実用化を進める。まず16年に『セレナ』で実用化した高速道路での同一車線の自動運転。近い将来、電気自動車『リーフ』の次期モデルにも搭載する。また高速道路の複数車線での自動運転を18年、街中での自動運転を20年までに実用化する。将来は完全自動運転も目指す」
―CESで自動運転車を人が遠隔支援する技術を発表しました。
「現在の自動運転技術は、人の介在が不要になるまでには至っていない。今後、事故現場に遭遇した時など、AIが判断に迷い、車が止まることはある。自動運転技術を基本としながら、人が後方で支援するのが望ましい」
―ライドシェア(相乗り)普及で車の保有率は下がりそうです。
「保有率は下がっても(グローバルで)販売数は減らないのではないか。人が車を保有するのには、理性的な判断だけでなく(保有したいという)感情的な側面も含まれる。都会で4輪駆動車を買う人がいるように、車は使うためだけに買うものではない」
日刊工業新聞 2017年1月17日、1月9日を再構成