ブロックチェーンとビットコイン、再生可能エネルギーも変える!?
電力を使う需要家同士のやりとりが簡単に
「マイクログリッド」の集合体へと変貌
GEは、フランスの送電網運用者エネディス社と共同で民家と商用建物の屋根にソーラーパネルを設置してデマンド・レスポンス・テクノロジーを導入、送電網全体に蓄電設備を設けてる。
また、送電網から生じる需要予測と天気予報を消費量の情報と組み合わせ、GEの分散型エネルギー資源マネジメント(DERM:Distributed Energy Resource Management)ソフトウェアによって分析を行っている。
このシステムの力で、カロの街は消費者(より正確にはプロシューマー)同士がニーズに応じて電力を即座に売買できる「マイクログリッド」の集合体へと変貌したのだ。
昼間不在している住宅所有者は、日中の電力ニーズが高い企業に対し、自宅で発電した電力を売却することができる。そして帰宅後には、近所の蓄電池や電気自動車、あるいはエネルギー価格の変化に柔軟に対応可能な企業から電力を買うことができる。
同様のアプローチはオーストラリアでも採用されている。エネルギー分野のスタートアップ企業であるパワーレジャー社は最近、ブロックチェーンを使って個人間で電力を売買することを可能にする試験的プログラムをパース周辺で開始した。
この新しい経済を成立させる鍵がソフトウェアだ。「DERM」のようなソフトウェアが、そうした取引を可能にすると同時に、総電量が物理的な送電キャパシティを超えることのないように管理している。
ブロックチェーン・テクノロジーは必ず、現状を新たなレベルへと押し上げ、前進していくはず。ビットコインに加え、「グリーンコイン」をやり取りし、電力のかたまりを即座に移動させることも不可能ではない。
スマートグリッドとブロックチェーンを組み合わせれば、安価でクリーンな再生可能エネルギーを送電網から住宅へ、そして住宅から送電網へと、常に透明性のある方法で送ることができるようになるかもしれない。
今はまだ、その可能性を垣間見ているに過ぎない。しかし、いずれは誰もが電力のプロシューマーになっていくことだろう。その時には、カロの例が示すように、明るい未来が開けていく。