大型機の減産鮮明、航空機サプライヤーのコスト削減待ったなし

生産自動化やIoTへの取り組み加速

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富士重の777X中央翼工場

日本勢、エンジン部品で存在感


 機体部品とともに、日本勢が存在感を示すのがエンジン部品だ。同部品は多品種少量生産で、利益を確保するには高い生産性が不可欠。国内生産が基本で円高の影響も大きく受ける。

 課題解決に向けてIHIは18年度までに、航空機エンジン部品を生産する4工場にIoT技術を導入する。生産状況を常時把握するITシステムや一部工程にロボットを採用。4工場全体で生産性を現状比2倍に高める。協力企業もネットワーク化し、サプライチェーン全体で生産効率を底上げする。

 対象とするのは航空機エンジン部品を生産する相馬第一・第二工場(福島県相馬市)、呉第二工場(広島県呉市)、エンジンやガスタービンの組み立てと整備を担う瑞穂工場(東京都瑞穂町)。

 さらに相馬工場と呉工場の約20社の協力工場をネットワークでつなぎ、生産進捗(しんちょく)を常時把握することも検討する。

 低圧タービン部品などを生産する相馬第一・第二工場では、作業者や加工物の位置情報を収集するITシステムを拡充する。ビーコンで作業者やモノの流れを把握し、作業指示を最適化するほか、数値制御(NC)加工機のNC信号を分析して生産ラインの稼働率を改善する。
IHIの相馬第二工場のライン


IoTで工数25%減


 川重も20年までに、エンジン部品生産にIoTを導入する。西神工場(神戸市西区)の四つの工場棟とチタンやニッケル部品の粗加工を担う約20社の協力会社をネットワーク化。社内外の生産計画や進捗を常時把握するほか、センサーで設備を管理。工期短縮や設備稼働率の向上につなげる。IoT化で工期・工数を15年度比25%削減する。

 工場棟や協力会社をネットワークでつなぎ、部材・部品の詳細な情報を共有。統一した生産計画のもと、外注を含む生産の全体進捗をフォローする。膨大な生産データを収集・分析すれば、生産変動が生じた際に高精度な検証が可能。国内外を問わず部品の安定供給を実現する。

日刊工業新聞2017年1月1日

COMMENT

長塚崇寛
編集局ニュースセンター
デスク

民間航空機エンジン事業は初期投資が巨額になる上、投資回収に長期間かかる特殊なビジネスモデルとなっている。このため、中長期の伸びは確実でも毎年、一定の利益を確保し、増産対応するには生産性向上が欠かせない。

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