最新型エンジン「LEAP」、数千人のエンジニアによる巨大開発プロジェクトの全貌
GEとサフランが長年培ってきた技術をすべて注ぎ込む
搭載されている技術は新しいものではない
CFMインターナショナル社製のエンジンは、GEとサフランそれぞれの強みを活かし、部品の担当を分業している。LEAPについても、GEは高温部などのコア部分、サフラン社は前方部分、ファン、低圧タービンの設計および製造を担当している。
高温部に位置するシュラウドには金属の3分の一の重量でありながら強度は2倍で、耐熱性にも優れているCMC(セラミックマトリックス複合材料)が採用されている。これは商業用エンジンとしては初。
また、低圧タービンには合金の半分の重量であり、30年をかけて開発したチタンアルミを使っているほか、チタンの半分の重量である炭素繊維によってファンブレードやファンケースを製造している。
さらに、燃料ノズルは3Dプリンティングの技術を使って製造、これらすべてがLEAPの軽量化と燃費の改善、そして耐久性に貢献しているという。
「LEAPは新しいエンジンだが、搭載されている技術は新しいものではない。例えば、炭素繊維はGE90やGEnxに使われているし、チタンアルミはGEnxにも採用されている。LEAPは、数十年間の実績のなかで改良された技術を積み上げた先に完成したエンジンである」(ハーディング氏)。
部品のうち4分の3は少なくとも二か所で製造
CFMインターナショナルは、すでに1万1500台のLEAPを受注しており、2020年までに年間生産量を2000台にまで引き上げる計画。
「日本のお客様をはじめ多くのお客様から、いったいどのようにして(これほど多くのLEAPを)製造、納入するんですか?と聞かれる。そのたび“我々はLEAPのサプライチェーンを拡大させるために数十億ドルを投資していて、LEAPの部品のうち4分の3は少なくとも二か所で製造し、製造ラインが止まることがないよう対策を講じている」と答えている。
現在、LEAPの最終組み立て作業は、GEの工場である米国インディアナ州のラファイエット、ノースカロライナ州のダーラム、そしてフランス・ヴィラロッシュにあるサフランの工場で行われている。