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宇宙開発は国家からベンチャーの時代へ 高まる注目

宇宙開発は国家からベンチャーの時代へ 高まる注目

提携を発表する(左から)澤田エイチ・アイ・エス社長、緒川PDエアロスペース社長、片野坂ANAHD社長(12月1日)



東大発ベンチャー 超小型衛星を来年3基打ち上げへ


アクセルスペース(東京都千代田区、中村友哉CEO、03・5577・4495)は2015年12月10日、2017年に参入する超小型衛星「グルース」による地球観測画像データ事業「アクセルグローブ」に関する事業戦略を発表した。
 グルースが撮影した地表の画像をもとに顧客企業などにデータを分析、提供する。例えば、農業生産者が農作物収穫高の算出に生かしたり、インフラ事業者がプラントを遠隔監視したりする用途を想定している。17年にグルース3台を打ち上げる。

 22年には、グルース50台で地球上の全陸地の約45%を毎日撮影できる体制作りを目指す。「この45%に人間が経済活動する全ての領域が集まる。地球上の全産業がサービス対象になる」と中村CEOは強調する。

経団連もアクセルスペースを支援


東京大学と経団連は11月16日、革新的な産業創出を担うベンチャー(VB)を育てる「東大・経団連ベンチャー協創会議」を発足させたと発表した。VBを即、大企業の事業に活用するのではなく、VBを大きく育てていくことで、日本の革新領域の構築につなげることを目指す。
 まず宇宙ビジネスのVB「アクセルスペース」支援などプロジェクト数件を始める。東大は大企業連携で活用する2号ファンドを、2017年に100億円超で設立する。

 東大・経団連ベンチャー協創会議はVBの成長を通じて日本の産業構造の転換を起こすことを狙う。そのため東大や経団連の加盟企業が持つ技術や人材、設備、VBに関する知見、ネットワークなどをVBの事業拡大に生かしていく。

 プロジェクトの一例は、超小型衛星を扱う東大発ベンチャー、アクセルスペースの収集データを、多様な産業での活用に広げる宇宙ビジネスだ。すでに東大とKDDIを核にした複数社のコンソーシアム型の活動があり、ここから事業強化を図っていく。
日刊工業新聞12月2日、11月17日、8月30日、 7月6日、2015年10月29日の記事を抜粋
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 民間での宇宙ビジネスの事業性については色々なことを言う人がいますが、何と言ってもその原動力の一つに「夢」があることは間違いありません。学生や社会人の技術者の中には、宇宙ベンチャーに興味があっても、生活への不安などから大企業や他産業に流れてしまう人が少なくない。そんな中で、PDエアロスペースへのANA、HIS出資は非常に明るいニュースです。  PDエアロの緒川社長を以前から存じ上げていますが、出資が決まった時には喜びとともにプレッシャーも感じている様子でした。自身の夢を共有し、必要な資金(まだ足りないとは思いますが)を得たら、次はいよいよ核となるエンジンの開発です。開発が進めば資金の出し手も増えるでしょう。同社には、一人でも多くの技術陣が必要だと強く思います。興味のある技術系の方は、ぜひ手を挙げられてはいかがでしょう!

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