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業界紙でしか見れない決算まとめ。押さえておきたい6業種


ホンダ系11社の4―9月期、全社減収


 ホンダ系部品メーカー11社の2016年4―9月期連結決算が10日出そろい、全社が前年同期に比べ、減収となった。急激に進んだ円高による影響が大きい。為替の影響が今後も進むと予測し、通期の売上高予想も前年に比べて下がるとみている。

 4―9月期決算の発表に併せて、テイ・エステック、ケーヒン、ショーワ、日信工業、八千代工業、エイチワン、エフテック、エフ・シー・シーの8社が通期の売上高予想を下方修正した。各社とも、生産の合理化やコスト削減が進むものの、それ以上に円高の影響が広がるとみる。

 ケーヒンやエフテックは「為替の影響をのぞけば、実質増収増益だ」と口をそろえる。八千代工業は、為替に加え、4月の熊本地震で被災した顧客の生産活動が止まった影響で発生した上期の減益が響くとみる。ショーワは、不具合があるガススプリング製品の無償交換を進めるため、追加で約240億円を製品保証引当金繰入額に計上。各利益段階で赤字になると予想した。

 一部メーカーは米州での事業に力を入れる。ケーヒンはガソリン直噴エンジン対応のインジェクターを生産するラインの能力を高め、年間400万本を供給する体制を確立。エフテックはメキシコ工場の大型プレス機が本格稼働。米ゼネラル・モーターズ向け事業の拡大を図る。


大手住宅の4―9月期、新築戸建て増加基調


 大手住宅メーカーの2016年4―9月期連結決算は、7社中5社が営業増益となった。1月期決算の積水ハウスは減益ながら売上高、各利益項目ともに期初計画を上回った。新築戸建て住宅の着工戸数は増加基調。17年4月に予定されていた消費増税の延期で住宅購入を先延ばしにする傾向も見られるが、各社の業績はおおむね堅調に推移している。

 大和ハウス工業の16年4―9月期住宅事業は増収増益。賃貸住宅の売上高が前年同期比9・2%増と成長が続く。戸建て住宅も売上高は同2・0%増だが「契約高は15―20%伸びており(計画は)上振れする」(大野直竹社長)見通し。ともに営業利益率は若干落ち込んだが、1棟当たり単価は上昇傾向で、工場も高稼働状態。

 住友林業の16年4―9月期の住宅事業は増収増益。販売棟数が増え、1棟当たりの販売単価も伸びている。ただし「営業の現場からすると顧客の動きはいまひとつ」(市川晃社長)と慎重な見方を崩さず、通期の販売棟数は期初計画を下回ると見込む。利益の伸びは、米国と豪州の住宅事業がけん引する形。

 池田英輔旭化成ホームズ社長は「住宅ローンの金利も安く、受注環境は良い」と指摘する。17年3月期は集合住宅のマイナスが響き、減収減益を予想するが、戸建て住宅の受注は堅調。

 積水化学工業の受注も回復基調。16年4―9月期は4月の熊本地震発生に伴う九州地方の建て替え需要も取り込み、受注を伸ばした。今後は住宅部材を生産する工場への積極的な投資により、「コストパフォーマンスの高い商品を展開し、シェアを拡大する」(関口俊一取締役専務執行役員住宅カンパニープレジデント)方針だ。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
日刊工業新聞では多くの決算まとめを掲載していますが、特に景気動向の指標にもなる6つを選んでみました。

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