生涯正社員が不利になる時代

企業も従業員も国にも大きな足かせになる

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今年の内定式
 政府もようやく「働き方改革」を大きく掲げ、日本人の働き方を変えようと動きだしました。今の延長線上では日本の経済力に限界が見えています。そこにメスをいれなければ、歪が大きくなるでしょう。産業能率大学が実施している「新入社員の会社生活調査」では新入社員の約70%以上が終身雇用制度を望むと回答しています。

 意外なことにその数字は増加傾向。正社員ということは、会社にフルコミットする働き方であり、異動を命じられれば望まない仕事であろうと違う部署に移り、転勤を命じられれば家族がいようと日本全国、全世界に転勤しなければなりません。その代わりの対価として、一定の給与と昇進を得られるわけです。

 しかし、この正社員の終身雇用制度は、これからの「企業」にとっても「従業員」にとっても「日本の国」にとても大きな足かせになることは間違いありません。

 企業にとっての足かせは何か。今後、国内マーケットは人口減少の煽りを受けて徐々に縮小する可能性がありますが、実はそれ以上のスピードで生産年齢人口が減少していくため慢性的な労働力不足の状態が続きます。

 引退して消費する側の人口が急増するにもかかわらず、商品・サービスを提供する側の人口が減少していきます。

画一的な教育を受けた正社員はリスク


 戦後から2000年くらいまでのマーケットが拡大していく局面では、先に正社員として社員を終身雇用し、会社で育てながら(飼いながら!?)未成熟なマーケットに対して画一的な商品・サービスを提供することは合理的な戦略でした。

しかし、これからの成熟かつ多様化した縮小マーケットと対峙する会社にとって、終身雇用し画一的な教育を受けた正社員から商品・サービスを提供することは大きなリスクとなります。

 マーケット拡大局面と縮小局面では経済活動のルールは大きく変わるため、今まで最適化されていた働き方はどんどん見直されることになります。合理的な選択をする企業から順に早かれ遅かれ、そして新入社員が望む望まざるに関わらず、この終身雇用という雇用形態は下火になっていくでしょう。

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ニュースイッチオリジナル

COMMENT

田鹿倫基
日南市
マーケティング専門官

緩やかな人口増加と急速な生産年齢人口の増加社会だった日本の人口構造が大きく変りました。現在のゆるやかな人口の減少と急速な生産年齢人口の減少の日本において、個人の働き方、企業の雇用の形態は大きく変化を迫られてます。正社員の終身雇用制度が今後どのように変わっていくのでしょうか。

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