世界最大の工作機械見本市、間もなく開催!見どころを紹介します
11月17日から「JIMTOF2016」。次世代モノづくりが見えてくる
ことしの日本国際工作機械見本市「JIMTOF2016」(11月17-22日、東京ビッグサイト)は、工作機械ユーザーにとっては見ておかなくてはならないイベントになりそうだ。IoT、ロボット、人工知能(AI)、アディティブ・マニュファクチャリング(=積層造形技術、AM)といった新しい技術がモノづくりを大きく変えようとしている。今はその転換期といってもよいだろう。米国の大型展示会である米国製造技術展「IMTS」が商談を中心にしたビジネスショーであるとすれば、JIMTOFは先端技術を披露するテクニカルショーだ。ここから3年後、5年後、10年後の製造業の姿が透けて見えるだろう。
ファナック、DMG森精機がIoT技術で相次ぎ大型の協業を発表した。ファナックは工場用IoT基盤「フィールド・システム」で、NTTや米シスコシステムズなど4社との協業のほか、200社以上とシステム確立に向けて連携し始めた。工場全体をIoT化し、故障予知や設備の機能向上、生産革新などにつなげるシステムだ。
10月5日には、米エヌビディアとの技術提携を発表。ファナックのロボットにエヌビディアのAI用半導体を搭載し、ロボットが自ら動作を効率よく学習できるようにするという内容だ。
DMG森精機はマイクロソフト(MS)との協業を始めた。IoT技術をフル活用したいわゆる「スマートファクトリー」を実現するため、MSの組み込みソフトウエア、安全性の高いクラウドを使う。
ファナックは年内に「フィールド・システム」を、DMG森精機は17年春にMSとの第1弾製品・サービスをそれぞれ投入する計画だ。JIMTOFで関連する情報が聞けるかも知れない。
また、牧野フライス製作所もIoT関連の発表がありそうだ。同社はどちらかと言えばこれまでIoTに関して積極的な発言はしてこず、IoTと距離を取っている印象だった。ところが今年度に就任した井上真一社長はIoTを重視していく戦略を掲げている。実際、IMTSでは関連のパネル展示をしていた。JIMTOFでその詳細が見られそうだ。
(JIMTOFでは牧野フライス製作所もIoT関連の展示がありそうだ)
ジェイテクトは加工中の工作機械の状況を示すビッグデータ(大量データ)からトラブルの兆候をつかみ、加工品質の向上や保全を効率化するソリューションをJIMTOFで披露する。データの蓄積・解析をクラウドのサーバーだけで作業するのではなく、工作機械に接続したモジュールでも分散処理する「エッジコンピューティング」技術だ。マシニングセンター(MC)や研削盤に各種センサーと解析用のモジュール「TOYOPUC―AAA」を設け、加工にかかわるビッグデータの収集・解析する。研削盤での活用では、砥石(といし)の状況、クーラントの温度など対応製品、センサーで捉えたさまざまな情報をTOYOPUC―AAAで解析。研削焼けが起こるのを予測して抑制できる。
中堅メーカーからもIoT対応の製品が出てきそうだ。例えば、碌々産業(東京都港区、海藤満社長)。創業110年を超える工作機械業界きっての老舗だ。現在は精度が1マイクロメートルにもなる微細分野に特化している。微細加工機は人間がそばに立っただけで精度に影響が出るという繊細な機械だ。設置された環境が機械本来の能力を発揮するのに極めて重要となる。
碌々産業はRa(平均粗さ)2ナノメートル以下を目指した微細加工機「ジェネシス」を新規開発した。これをIoT対応として、搭載したセンサーを使い、稼働状態を24時間リアルタイムで監視する初めての試みをJIMTOFを機に始める。これまでユーザーまかせだった機械稼働時の問題把握・解決を、機械メーカーとしてユーザーとともに実現する考えだ。ゆくゆくは集めたビッグデータを解析し、機械学習技術をもとにした加工支援サービスを提供する方針だ。
(碌々産業はIoT対応の新製品を披露する)
自動化技術としては、ニイガタマシンテクノ(新潟市東区、常平典明社長)が新型のマシニングセンター(MC)と搬送装置などで構成するFMS(フレキシブル生産システム)の販売を強化する。10月中旬には、自社工場に新設したばかりのFMSをJIMTOF事前内覧会として公開した。
やはり目玉はIoT
ファナック、DMG森精機がIoT技術で相次ぎ大型の協業を発表した。ファナックは工場用IoT基盤「フィールド・システム」で、NTTや米シスコシステムズなど4社との協業のほか、200社以上とシステム確立に向けて連携し始めた。工場全体をIoT化し、故障予知や設備の機能向上、生産革新などにつなげるシステムだ。
10月5日には、米エヌビディアとの技術提携を発表。ファナックのロボットにエヌビディアのAI用半導体を搭載し、ロボットが自ら動作を効率よく学習できるようにするという内容だ。
DMG森精機はマイクロソフト(MS)との協業を始めた。IoT技術をフル活用したいわゆる「スマートファクトリー」を実現するため、MSの組み込みソフトウエア、安全性の高いクラウドを使う。
ファナックは年内に「フィールド・システム」を、DMG森精機は17年春にMSとの第1弾製品・サービスをそれぞれ投入する計画だ。JIMTOFで関連する情報が聞けるかも知れない。
また、牧野フライス製作所もIoT関連の発表がありそうだ。同社はどちらかと言えばこれまでIoTに関して積極的な発言はしてこず、IoTと距離を取っている印象だった。ところが今年度に就任した井上真一社長はIoTを重視していく戦略を掲げている。実際、IMTSでは関連のパネル展示をしていた。JIMTOFでその詳細が見られそうだ。
(JIMTOFでは牧野フライス製作所もIoT関連の展示がありそうだ)
ジェイテクトは加工中の工作機械の状況を示すビッグデータ(大量データ)からトラブルの兆候をつかみ、加工品質の向上や保全を効率化するソリューションをJIMTOFで披露する。データの蓄積・解析をクラウドのサーバーだけで作業するのではなく、工作機械に接続したモジュールでも分散処理する「エッジコンピューティング」技術だ。マシニングセンター(MC)や研削盤に各種センサーと解析用のモジュール「TOYOPUC―AAA」を設け、加工にかかわるビッグデータの収集・解析する。研削盤での活用では、砥石(といし)の状況、クーラントの温度など対応製品、センサーで捉えたさまざまな情報をTOYOPUC―AAAで解析。研削焼けが起こるのを予測して抑制できる。
中堅メーカーもIoT
中堅メーカーからもIoT対応の製品が出てきそうだ。例えば、碌々産業(東京都港区、海藤満社長)。創業110年を超える工作機械業界きっての老舗だ。現在は精度が1マイクロメートルにもなる微細分野に特化している。微細加工機は人間がそばに立っただけで精度に影響が出るという繊細な機械だ。設置された環境が機械本来の能力を発揮するのに極めて重要となる。
碌々産業はRa(平均粗さ)2ナノメートル以下を目指した微細加工機「ジェネシス」を新規開発した。これをIoT対応として、搭載したセンサーを使い、稼働状態を24時間リアルタイムで監視する初めての試みをJIMTOFを機に始める。これまでユーザーまかせだった機械稼働時の問題把握・解決を、機械メーカーとしてユーザーとともに実現する考えだ。ゆくゆくは集めたビッグデータを解析し、機械学習技術をもとにした加工支援サービスを提供する方針だ。
(碌々産業はIoT対応の新製品を披露する)
自動化技術としては、ニイガタマシンテクノ(新潟市東区、常平典明社長)が新型のマシニングセンター(MC)と搬送装置などで構成するFMS(フレキシブル生産システム)の販売を強化する。10月中旬には、自社工場に新設したばかりのFMSをJIMTOF事前内覧会として公開した。
日刊工業新聞2016年11月1日