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熟練度が課題
一方、量産を担うタイ拠点のカーボンマジック(タイランド)では新工場の建設が進む。安藤社長は高温・高圧で焼き固める成形設備のオートクレーブ(AC)が前提になるとした上で、「積層工程など効率を高めるため、熟練度を上げる必要がある」と課題を話す。
従来、炭素繊維は欧州メーカー製品が超高級車に採用され、現地には関連の加工メーカーが多い。日系メーカーは炭素繊維の供給では圧倒的なシェアを握るものの、国内では中間加工業者がそれほど育っていない。
安藤社長は今後、炭素繊維が普及するポイントを「要求される性能と上限コストのバランス」と表現する。その中で「顧客ニーズに最も適しているのがACだが、用途に合わせて多様化していく」(同)とみており、扱う材料や成形方法など試行錯誤は続きそうだ。
例えば、「熱可塑性樹脂を使った研究も検討テーマの一つ」(同)になる。あらゆる材料を駆使し、アルミなど競合する素材の中から炭素繊維を選んでもらえるか。本格的な普及に向け、地道な挑戦が続く。
※肩書き内容は当時のもの
日刊工業新聞2015年6月11日の記事に一部加筆
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